天気が崩れると悪化する頭痛でお困りのあなたへ 気象病による頭痛の予防・解消法まとめ

2018年6月14日

くもりや雨の日は頭痛がひどくなる…
台風が近づくと頭痛がする…

このような症状にお悩みではありませんか?

天気と深く関係のあるこの頭痛は、低気圧性偏頭痛などと呼ばれる「気象病」のひとつです。

みなさんの周りにも「頭が痛くなってきたから明日は雨が降るかも」という人がいませんか?

しかも、天気予報より当たってる!?なんてことも…。

一方で、「天気が頭痛の原因になるなんて気のせいじゃないの?」と思う方も多いでしょう。

しかし、偏頭痛の実に24%が天気の影響だといわれているのです。

多くの人が悩むこの症状、特にこれからの梅雨や台風の時期は、本当につらいですよね。

今回は、天気が悪くなると頭痛が起こるメカニズムや対処法など、『頭痛と天気の関係』についてご紹介していきます。

 

あなたの頭痛、気象病ではないですか?

みなさんは「天気が悪いと古傷が痛む」というのを聞いたことがないでしょうか?

頭痛だけでなく、気象の変化によって症状が出たり、悪化したりする疾患を「気象病」といいます。

今、気象病の患者数は増加傾向にあり、日本では1000万人にも上ると推定されています。

その理由がゲリラ豪雨などの極端な気象現象や生活習慣の変化です。

また、気象病の研究が進み、広く知られるようになるにつれて、自分の気象病に気付くことも理由だと考えられています。

気象病の原因のひとつが気圧の変化です。

特に、春や秋、梅雨は低気圧が定期的に通過するため、症状が出やすい時期だといわれています。

台風が日本に接近する晩秋から秋にかけて症状を訴える人も多いようです。

気象病の症状としては、関節痛やめまい、耳鳴り、ぜんそく、うつ、不安症などがあります。

その中で最も多くの人が挙げる症状が今回ご紹介する「頭痛」なのです。

 

頭痛にも種類がある

頭痛にはさまざまな種類があり、日本神経学会と日本頭痛学会が監修する「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」によると、次の3つに分けられます。


1.一次性頭痛
2.二次性頭痛
3.頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛


【頭痛の種類】

1.一次性頭痛

「一次性頭痛」とは、他に病気がない頭痛のことを指しています。
頭痛に悩む人のうち約9割がこのタイプだといわれています。

一次性頭痛も次の3種類に分けることができます。

【偏頭痛】

頭痛といえばこれといっても良いほど、一般的に広く知られている偏頭痛。

天気が崩れると起こる頭痛も、この偏頭痛の一種だと考えられています。

そのメカニズムはまだはっきりとは解明されていませんが、脳の血管が拡張することが原因のひとつだといわれています。

頭の片側もしくは両側が、ズキンズキンと脈打つように痛むというのが特徴です。

中には、光や音、においに敏感になったり、肩こりや吐き気などを伴ったりする場合があります。

また、この頭痛の前兆として、視界がチカチカするなどの「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状が出ることがあります。

体を動かすと痛みがひどくなることが多く、寝込みたくても学校や仕事に行かなければならないため、市販の頭痛薬でしのぐ方が多いのが現状です。

偏頭痛が長期化すると、脳が過敏状態になり、めまいや耳鳴りなどの症状を伴うとされています。

偏頭痛は、血行を良くするとかえって痛みがひどくなってしまうため、入浴や運動は避け、できるだけ安静に過ごしましょう。

【緊張型頭痛】

慢性的な頭痛で悩む方の大半がこの緊張型頭痛です。

頭をギューッとしめつけられるような重く鈍い痛みが起こります。

同じ姿勢を長時間続けたり、過労や精神的なストレスを感じたりすると、首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなり、頭に酸素や栄養分が運ばれにくくなるため、頭痛が起こるのです。

常に頭がすっきりせず、1日のうちでは午後から夕方に、1週間では週末にかけて症状がひどくなるというのも特徴です。

大人から子供まで幅広い世代で発症するこの緊張型頭痛は、30分程度で収まる人もいれば、数日間痛みが続くという人もいます。

また、首や肩のこり、めまい、全身のだるさといった症状を伴うこともあります。

緊張型頭痛の対処法は、原因となっている首や肩のコリをほぐし、血行を良くすることです。

デスクワークなどで、パソコンに向かう時間が長い方は、すき間時間にストレッチを行うと良いでしょう。

【群発性頭痛】

群発性頭痛の場合、年に数回、あるいは、数年に1回ほど激しい痛みが起こり、それが1~2か月続きます。

発作自体は2~3時間で収まる場合が多く、どちらかの目の奥が強烈に痛む、涙が出る、充血、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。

発作は夜間に起こることが多く、アルコールによって誘発されるというのも特徴です。

一次性頭痛の中で最も激しい頭痛で、のたうち回るほどの痛みがあり、目をえぐられるような痛みと表現されることもあります。

そのため、心筋梗塞や尿路結石と並び、三大痛のひとつといわれています。

あまりの痛さに自殺を考える人もいるようで、拳銃の保持が許されているアメリカでは、痛みに耐えきれず突発的に自殺をするケースもあるとされています。

このことから、別名「自殺頭痛」とも呼ばれており、20代~40代の働き盛りの男性に多く、男性の発症率は女性の3~7倍です。

実は、この群発頭痛に苦しむ有名人がいます。

それが、『ハリーポッター』でおなじみのダニエル・ラドクリフさんです。

彼は、強烈な痛みに12錠もの鎮痛剤を1日で服用したそうです。

このように市販の鎮痛剤はほとんど効果はなく、群発頭痛が起こるメカニズムもまだわかっていないのが現状です。

自分でどうにかしようとするのではなく、早めに医師に相談しましょう。

 

【頭痛の種類】

2.二次性頭痛

脳や体の病気が原因で頭痛が起きている場合、「二次性頭痛」に分類されます。

頭痛を引き起こす代表的な病気は、くも膜下出血や脳腫瘍、髄膜炎です。

また、頭を強くぶつけたケースや目や耳、鼻などに炎症が起きているケースも考えられます。

命にかかわる重大な病気が隠れている場合もありますので、少しでも違和感があれば医師に相談してください。

 

【頭痛の種類】

3.頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛

近年、増えているのが電気が走るような瞬間的な痛みが頭部に生じる「頭部神経痛」です。

痛みと痛みの間に間欠期と呼ばれる痛みのない時期が見られるのが特徴です。

頭部神経痛の場合、前かがみの姿勢が長時間続くことが原因のひとつだと考えられています。

この姿勢は、首の筋肉がこりやすく、血流が悪くなり、たまった乳酸が後頭神経を刺激することによって痛みを生じます。

この前かがみの姿勢になりがちなのが、スマホです。

近年スマホの普及が高まると同時に、頭部神経痛が急増しています。

そのため、偏頭痛や緊張型頭痛に続き、「第三の頭痛」ともいわれています。

(参考:慢性頭痛の診療ガイドライン2013―日本神経学会・日本頭痛学会)

 

頭痛薬の飲みすぎは要注意!「薬物乱用性頭痛」の危険

これらの頭痛が起きた際、痛みを抑えるために頭痛薬を飲む人も多いでしょう。

しかし、痛みに対し敏感になって頭痛薬が手放せなくなったという人もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、痛みがひどくなる前に頭痛薬を飲む習慣が身に付き、頭痛薬に依存している場合もあります。

最近では、鎮痛薬を過剰に用いることが原因で、頭痛が起きる回数が増えたり、痛みの強さが増したりと「薬物乱用性頭痛」と呼ばれる状態に陥っている方が増えてきています。

薬物乱用性頭痛の症状は次の通りです。

・月に15日以上頭痛がある。
・頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
・朝起きたときから頭痛がする。
・以前はよく効いていた頭痛薬が効かなくなってきた。
・薬をいくら飲んでも頭痛が以前よりひどくなってきた。
・頭痛の程度、痛みの性質、痛む場所が変化することがある。
・以前は月に数回、片頭痛が起こっていた。

(引用:薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)って?―スッきりんのバイバイ頭痛講座)

これらの症状に心当たりのある方は、一度医師に相談することをおすすめします。

 

頭痛の24%は天気が原因

テルモ株式会社が立正大学や国土環境株式会社らと共同で「健康と気候に関するアンケート」調査を行いました。

その結果、8割が天候と体調に関係があると考えており、実際に体調への影響を経験しているのは7割を超えていることが明らかになりました。

また、慢性的な頭痛を持っている人のうち30%以上が、悪天候になると頻繁に頭痛を感じているようです。

時々痛む人を含めると、90%以上の人が天気の影響を受けているのです。

(出典:健康と気候に関するアンケート―テルモ株式会社)

偏頭痛の引き金 引き起こす割合
ストレス 33%
まぶしさ 29%
食事を抜く 28%
睡眠の変化 26%
におい 26%
気候の変化 24%
アルコール 10%
運動 10%
カフェインの過剰摂取 9%
食べ物 8%

(出典:ドーン・A・マーカス著『片頭痛:治療・予防のための薬とそれ以外の効果的なメソッド (きっと上手くいく10の解決法シリーズ)』)

これは、偏頭痛を引き起こす原因となるものを表しています。

これを見てもわかるように、天気が頭痛を誘発する割合は24%もあるのです。

 

女性は気象病を起こしやすい

偏頭痛でお悩みの方は多いですが、特に、20代から40代にかけての女性に多く、30代の女性では5人に1人がこの症状に悩まされているというデータもあるようです。

では、なぜ女性に多いのでしょうか?

これは、エストロゲンという女性ホルモンの影響だと考えられています。

エストロゲンの分泌量は、月経周期に伴って大きく変動しており、排卵日と月経開始日に急激に減少します。

このホルモンの変動に伴って起こるのがエストロゲン性の偏頭痛です。

女性の偏頭痛患者の6~7割がこのタイプと言われており、このため、女性に偏頭痛が多いと言われるようになったのです。

特に、偏頭痛が起こりやすいとされているのが、月経前2日から月経開始3日目の期間です。

この期間は、エストロゲンの分泌量が急激に減少するため、この変動が血管の拡張を引き起こし、偏頭痛を引き起こすと考えられています。

この期間に起こる偏頭痛は、他の時期に比べて、痛みが強く、持続時間も長いというような特徴もあり、市販の鎮痛薬では十分に効かないということもあるようです。

頭痛は、月経に伴って毎月起こる可能性もあり、その不安から偏頭痛のない期間であっても憂うつな気分になってしまうこともあります。

また、妊娠してから頭痛がひどくなったという方もいます。

妊娠によるホルモンバランスの変化により、脳の血管が広がり、偏頭痛が起こりやすくなるのです。

運動不足気味になり、体の血行が悪くなるのも原因です。

血行不良は首や肩のコリを引き起こすので、頭痛に繋がってしまうのです。

このようなホルモンバランスに天気という要因も加わることから、男性よりも女性の方が気象病が起こりやすいと考えられています。

 

くもりや雨の日に頭痛が起こる2つの原因

天気が崩れると頭痛が起こる原因として次の3つが考えられています。


1.低気圧の影響
2.自律神経の乱れ


【天気が崩れると頭痛が起こる原因】

1.低気圧の影響

気象病としての頭痛が起こる原因は、低気圧の影響だと考えられています。

低気圧で体にかかる圧力が下がると、全身の血管がゆるみ、膨張します。

脳の血管が膨張すると、脳の中でも最も大きな神経である「三叉神経」が刺激されます。

そのため、ズキンズキンと脈打つような激しい痛みが襲うのです。

ちなみに、低気圧のときは血管だけでなく、リンパや臓器も膨張します。

その結果、頭痛だけでなく、むくみやだるさなどの不調を感じやすくなるのです。

また、気圧が下がると同時に、血圧も低下します。

この低血圧も頭痛を引き起こす原因のひとつです。

血圧が低い状態では、臓器や細胞に十分な血液が行き渡らなくなってしまいます。

血流が滞ると、肩や首、その他全身の筋肉が緊張し、こわばり、この血行障害の状態が長く続くと、頭痛につながりやすくなるのです。

また、気圧が低いときは、空気中の酸素の量が少なくなっています。

標高の高い山などを登ると、酸素が薄くて頭痛や耳鳴りがすると聞いたことがないでしょうか?

脳は酸素を消費することで、正常な動きを維持しています。

空気が薄く、十分な量の酸素を取り込めないことで、めまいや耳鳴りなどの感覚障害を引き起こしたり、頭痛に見舞われたりするのです。

(参考:【医師監修】低気圧で頭痛が起こるのはなぜ?―ヘルスケア大学)

 

【天気が崩れると頭痛が起こる原因】

2.自律神経の乱れ

自律神経には、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と安静時や夜に活発になる副交感神経の2つがあり、これらが互いにバランスをとりあっています。

このバランスが崩れると、体に不調が現れるようになります。

気圧が低くなり血液循環が悪くなると、活動に適した環境でないことを体が判断し、副交感神経が活動を始めます。

これにより、頭がぼーっとする、全身がだるくなる、疲れやすくなるなどの症状から徐々に頭痛へと発展していくのです。

また、自律神経が乱れている状態で長時間作業を続けると、体に疲労やストレスが蓄積してしまいます。

それが、さらに自律神経に乱れを生じさせ、血管に炎症を引き起こしてしまい、その炎症が頭蓋骨内で発生したときに頭痛を引き起こすのです。

ストレスが過剰に蓄積されて、交感神経が刺激されると、血圧は上昇します。

血流が早くなり血圧が上昇するとさらに脳内の神経細胞に刺激が伝わってしまうので、痛みが広がりやすくなります。

無理をして、働き続けてしまうとさらに頭痛の症状をひどくしてしまう危険性がありますので、注意しましょう。

(参考:偏頭痛と自律神経との関係―自律神経失調症完璧ガイド)

 

 

今すぐ試したい!気象病による頭痛の簡単セルフケア

頭痛を感じたとき、間違った対処をすると悪化する恐れがあります。

正しい知識を持っておくと良いでしょう。

頭痛に有効な対処法として次の5つをご紹介します。


1.コーヒーを飲む
2.痛みのある部分を冷やす
3.マグネシウムとビタミンB2を摂取する
4.暗い部屋で安静にする
5.市販薬を使用する


【頭痛の対処法】

1.コーヒーを飲む

偏頭痛は、血管が拡張することで引き起こされる頭痛です。

つまり、偏頭痛の痛みを抑えるためには、血管を収縮させなくてはいけません。

そこでおすすめなのがコーヒーです。

これは、コーヒーに含まれるカフェインに血管を縮ませる効果があるためです。

カフェインは、頭痛薬などにも多く用いられています。

痛みが出てきたら、症状の軽いうちにカフェインを摂取すると良いでしょう。

コーヒー以外にも、カフェインを含むものとして、緑茶や紅茶、ココアなどがあります。

カフェインは、手軽に摂取できるというメリットがありますが、注意しなければならない点もあります。

それは、中毒性が高く、依存症になる可能性があるということです。

カフェインを長期的、また、大量に摂取していると次のようなデメリットがあります。

・かえって頭痛を悪化させてしまう可能性がある
・カフェインが胃液の分泌を促すため、胃痛が起こる
・鉄分やミネラルの吸収が妨げられ、貧血が起こる
・睡眠の質が下がる
・自律神経に乱れが生じる

飲みすぎには十分注意しましょう。

 

【頭痛の対処法】

2.痛みのある部分を冷やす

偏頭痛の原因である拡張した血管を収縮させるために、患部を冷やすと痛みが改善されます。

ただし、急激に冷やしたり、長時間冷やし続けたりしないようにしてください。

急激な血管の拡縮は、ダメージを与えることになります。

氷嚢をタオルでくるんで使うなど、穏やかに冷やすのが良いでしょう。

また、ずっと冷やし続けるのではなく、間隔を置きながら冷やすようにしてください。

 

【頭痛の対処法】

3.マグネシウムとビタミンB2を摂取する

必須アミノ酸のひとつでもあるマグネシウムには、偏頭痛を改善する効果が期待できます。

マグネシウムは、たんぱく質の合成やエネルギー代謝など、私たちの体にとって重要な役割を担っています。

特に、脳の安定を保つためにも重要な栄養素です。

マグネシウムが不足していると、神経が不安定になるため、痛みに対して敏感になってしまうのです。

過労やストレス、寝不足の状態では、体内のマグネシウムは著しく減少してしまいます。

【マグネシウムを多く含む食べ物】

ごま、落花生、アーモンド、あおさ、昆布、ひじき、わかめ、大豆、きなこ、納豆、油揚げ、ほうれん草、オクラ、ごぼう、枝豆、煮干し、なまこ、あさりなど

また、ビタミンB2も偏頭痛への効果が確認されています。

ミトコンドリア病の患者にビタミンB2を摂取させたところ、ミトコンドリア病の主な症状である偏頭が改善されたという発表がなされています。

そのため、今度は、偏頭痛の患者に対してビタミンB2を摂取させたところ、半数以上が頭痛が軽減したと報告されています。

ビタミンB2は水溶性ビタミンなので、必要以上を摂取しても吸収されず、尿と一緒に体外へ排出されます。

つまり、食事から摂取する分にはビタミンB2に過剰摂取の心配はほとんどありません。

ただし、サプリメントの場合、食事から摂取する量と比較して、その純度が遥かに高い場合があります。

サプリメントに頼りすぎるのではなく、あくまで補助的な役割として考える方が良いかもしれません。

【ビタミンB2を多く含む食べ物】

レバー、うなぎ、魚肉ソーセージ、ズワイガニ、納豆、いくら、たらこ、卵黄、まいたけ、カマンベールチーズ、うに、モロヘイヤ、いわし、さば、唐辛子など

 

【頭痛の対処法】

4.暗い部屋で安静にする

偏頭痛のとき、光や音に過剰に反応してしまい、症状を悪化させてしまうケースが多くあります。

体を休めて交感神経を鎮めるようにしましょう。

 

【頭痛の対処法】

5.市販薬を使用す

最近では、頭痛に有効な薬が数多く市販され、手軽に使用できるようになりました。

眠くなりにくい薬なども販売されていますので、自分にあった薬を探して、常備しておくと良いでしょう。

ただし、薬を多用しすぎると適量での服用では効果が薄れてきたり、これまでにご説明した薬物乱用性頭痛に陥ったりするケースもあります。

どうしようもないときだけ薬を飲み、なるべく自然に収まるのを待ちましょう。

また、「酔い止め薬」も有効だとされています。

気象病に悩んでいる人は、乗り物酔いにも悩んでいることが多く、内耳が揺れに敏感だという共通点を持っています。

酔い止め薬が内耳にあるリンパ液を鎮める効果があることから、天気が悪くなる前に飲むと良いと考えられています。

 

気象病の頭痛予防は普段の生活で

天気が崩れるたびに頭痛が起こるという人は、普段から体質を改善する努力をしましょう。

①生活習慣を整える

生活習慣が乱れている人は、自律神経が乱れやすく、頭痛が生じやすくなってしまいます。

休みの日などはダラダラと寝ずに、毎日同じ時間に起きるようにしましょう。

生活習慣が正しければ病気にもなりにくいです。
②睡眠の質を上げる

寝ている間に分泌される成長ホルモンは、体のバランスを整える働きがあります。

新陳代謝が良くなれば血行も良くなり、血管の膨張や収縮もあまり感じずに生活できるようになります。
③ストレスをためないようにする

職場での人間関係など、普段からイライラしがちの人は、気圧の変化による頭痛を引き起こしやすいといえます。

ストレスがたまると血行不良に陥り、そこにさらに気圧などの変化が起きてしまうと、頭痛がおこりやすくなります。

ストレスを全く感じないようにするのは難しいですが、ため込まないように工夫をしましょう。

(参考:偏頭痛の予防―スッきりんのバイバイ頭痛講座)

 

頭痛があるときはやめて!NG行動

気圧の変化で頭痛を感じたときにやってはいけないことを紹介します。

①チラミンを含む食べ物

偏頭痛のときにはできるだけ避けた方が良い食べ物があります。

それは「チラミン」という成分を含むものです。

チラミンを摂取すると、直後は血管が収縮します。

しかし、縮んだあとに膨らんでくる作用があり、よりひどい頭痛を感じてしまう場合があるのです。

【チラミンを多く含む食べ物】

チーズ、ワイン、チョコレート、ビール、ピクルス、ピーナッツバターなど

ちなみに、ピーナッツバターは、アメリカの国立医学図書館が偏頭痛を誘発させる食品として公表しているほどです。
②シャワー・入浴

偏頭痛の際は、温めてしまうと悪化することがあるので気をつけましょう。

温めると血管が膨張するため、頭痛が悪化してしまいます。

偏頭痛のときは冷やすことが大切です。
③タバコ

タバコに含まれるニコチンには、血管の収縮作用があるため、煙草を吸うことで頭痛が誘発されます。

また、すでに頭痛を起こしている時に煙草を吸うと、痛みがひどくなってしまいます。

 

気象病による頭痛にお悩みの方必見!気圧予報アプリ「頭痛~る」

天気の崩れによって頭痛が引き起こされるといっても、天気自体は私たちの力ではどうすることもできません。

しかし、頭痛に備えることはできるはずです。

そこでオススメしたいのが、頭痛と気圧の関係に注目したお天気アプリ「頭痛~る」

このアプリでは、現在の気圧や気温、天気などがチェックできます。

また、1時間ごとに痛みの度合いや薬などを記録でき、自分の頭痛の傾向を知ることも可能です。

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まとめ

いかがでしたか?

気象病など、目に見えない気圧の変化が原因で頭痛が起きていても、周りからはなかなか理解されなかったり、ただ怠けているように見られてしまったりすることが少なくありません。

中には、一人で悩んでうつ病にまで発展してしまうケースもあるのです。

天気の崩れからくる頭痛に悩んでいる人は、今回ご紹介した対処法をぜひためしてみてください。

また、生活習慣や睡眠、ストレスなど、普段の生活でも予防することができます。

頭痛と上手に付き合っていけると良いですね。