ギックリは腰だけじゃない!?背中にも!

重たいものを持ち上げたり、ふと足元にあるものを取ろうとした時にも表れるぎっくり腰はあまりにも有名なのでご存知の方も多くいらっしゃると思います。ヨーロッパではこの時の痛みを魔女の一撃ともよび、経験したことがある方にとっては二度と経験したくない激痛です。

しかし、残念なことにこの疾患の原因の多くは普段の生活でしている姿勢の悪さであったり、運動不足や度重なる疲労から来ることが大半なので一度経験がある人には再発してしまう可能性が高く、非常に厄介なものです。

また若いころに比べると筋肉が衰えを見せ始める30代中盤以降になると準備運動をサボってちょっと運動したり、悪姿勢でパソコンを打っているなど些細なことでも発症するようになってしまうのでより注意が必要だと言えます。今回はそんなギックリ系の痛みというのは腰だけでなく背中や肩にも来ることもある、というお話を交えて気を付けていただけるような内容に出来ればと思います。

それでは詳しく確認してまいりましょう。

ギックリ腰・背中ってなに?

端的に言えばぎっくり系の痛みの原因は様々な要因が引き金になって起こる筋肉の断裂やそれによる炎症によるものです。痛みの程度は軽度・重度によっても変わりますが、大抵の場合、まともに動くことが出来ず、起き上がり時や活動を始める時の初めの動作の時は顔をしかめてしまうほどの痛みです。

ですが実際、筋肉の痛みは激痛を伴いますが安静にしていれば一週間程度で回復し、日常生活に復帰できる場合がほとんどで、反対に重症といわれる骨折は、骨には痛覚がほとんどないのできれいに折れている場合(他の繊維を傷つけていない)は痛みが少ないけれど復帰に時間がかかると言えます。

また冒頭にもありますが、この痛みは腰にだけ現れるものではなく、背中や肩に魔女の一撃を食らってしまうこともあります。その原因はデスクワークによるものが多く、特にパソコンを長時間使用している時に上から見下ろすような姿勢ではなく、低い椅子から高い机に置いてある画面を見上げるような姿勢をされている方は要注意です。

ギックリ腰・背中ってなに?~その2~

私たちの身体にはそれぞれの部位において最適な使用位置というものがあります。これはどういうことかというと、例えば頭。頭は体重の一割の重量があるといわれているほど重たいものです。この頭部を前傾した姿勢(猫背・巻き肩)あるいは最近ではスマホやパソコン画面に集中するあまり首だけが前のめりになっておこるストレートネック(スマホ首)というものがありますが、これらは通常、頭から一直線に背骨で支えている重量が肩や背中にかかることで肩こりや首の痛みを生み出します。

そして同じように先ほど紹介したような見上げる姿勢で長時間パソコンを使用する場合、特にキーボードが肘よりも上にきてしまう場合は背中の筋肉に影響を及ぼすようになります。片腕はおよそ体重の5~6%の重量があるといわれており、両腕で10%ですから、体重が60キロの方の場合、6キロの重さがあります。

通常、腕はだらりと垂れ下がっている時が最も身体に負担がかからないわけですが、この重量が長い時間、背中にかかってくると筋肉が使用され続けることになり、疲労を蓄積していきます。筋肉は長時間使用されると硬くなる性質を持っているため、硬くなったままの状態で作業を続けたり、運動不足によって血流が悪くなるとその影響によって疲労物質が流されず、さらに疲労がたまっていき、ある日、パチン!と限界を迎えてしまいます。

つまり、急性のものであれば冒頭のような重たいものを持ったりして起こる時もありますが、多くの場合では普段から酷使してしまったことがギックリ系の原因というわけですね。

まとめと予防策

今回はあまりにも有名なギックリ腰・背中などについて記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、確かに世の中には原因がよくわからない病気は多くあり、腰痛もその80%が原因不明とされています。

しかし、普段の心がけによって防げる激痛というものもありますから、日常生活の姿勢に気を配ってみたり、運動を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。では最後に、特に背中に負荷をかけない方法をご紹介していければと思います。

まずはすでに原因で登場しているように肘から上に手を上げてキーボードをたたかないようにすること。しかし会社から支給されている椅子を変更はできないと思いますので、クッションなどを使用して自分なりの高さを見つけると良いでしょう。

また筋肉疲労の話もしましたが、硬い背もたれに上半身の体重全てをかけていると背中の筋肉が潰され、やはり疲労が蓄積していきますので、これも改善し、なるべく寄りかからないようにする、あるいは自分で椅子を変更できる方は背もたれがメッシュ素材の柔らかいものにすると疲労が軽減されますので、是非、試してみてください。