ペットボトルも開けられない?その痛みゴルフ肘かもしれません!!

大人になってから始める方の多いスポーツといえば?という質問をされたらゴルフを挙げる方は多いと思います。その理由は始めるにあたってそれほど費用がかからないサッカー、バスケ、野球などに比べて初めに購入するクラブ代が10万円近くかかったり、練習するにしてもラウンドするにしても費用がかさんでいくからです。

しかし、日本にはおよそ550万人ゴルフ人口がいるといわれており、この人口の多さはやはり仕事の付き合い以上にハマるとやめられないほど面白いから、というのも一つの要因ではないでしょうか。また経済的・時間的に余裕のある方は早くうまくなるために毎日、練習場に足を運んで早く先人に追いつきたいと思うものです。

もちろん練習場に毎日いくことは他人がどうこういう問題ではありませんが、あまり上手でないうちにゴルフをする(ラウンド)とケガをしやすい、ということは覚えておいていただきたいと思います。なかでもケガしやすいのが、背中、腰、肩、膝、そして今回のテーマにもなっているです。それでは詳しくみていきましょう。

ゴルフでケガしやすい部位は?

少し寄り道しますが、ゴルフでケガをしやすい場所の第一位は腰痛で間違えないと思います。ゴルフは腰を中心にしてスイングを行いますし、特にやり始めのうちは自分の打ち方がまだよくわかっていなかったり、中途半端にレッスンを受けてアドレスの時に反り腰になったりしてしまうからです。

しかし、腰痛に関して言えば初心者だからということではなく、ゴルファーの職業病ともいえますから、ゴルフをされる方は腰に違和感や痛みが走った時はすぐに練習をやめて、痛みが引いたらフォームの改善などを行うと良いでしょう。

次に肘の痛みですが、これはゴルフが原因とは一概に言い切れません。ゴルフのプレースタイルやスイングの仕方に加えて、日常生活の動きや仕事内容、あるいはぞうきんを絞ったり、腕をよく使ったり、フライパンをよく振る料理人の方々もゴルフ肘同じ症状が出ることがあります。

ゴルフ肘?何が起こっているの?

実はゴルフ肘というのは正式な名称ではなく、正しくは上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)という呼び方をします。聞きなれない単語なのでどこを指している言葉かわからない方もいらっしゃると思いますので、まずは肘関節の説明をしていきましょう。

初めに肘関節は大きく三つの骨から構成されています。一つは肩から肘にかけて伸びる上腕骨(じょうわんこつ)そして肘から手首に伸びる二本の橈骨(とうこつ:親指側の骨)と尺骨(しゃっこつ:小指側の骨)から出来ています。

もちろん、骨だけで出来ていれば身体は動きませんので、骨を覆うように腱や筋肉が走っているわけですが、中でも手首を曲げる橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)という筋肉と肘関節がくっついている所(内側上顆:ないそくじょうか)に右ひじが伸びるようなスイングや右手首を曲げてしまうようなスイングによって負荷がかかると炎症を起こすようになり、ゴルフ肘を発症します。ですから、上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)と呼ぶんですね。

ゴルフ肘を予防するには?

これはまずはスイングをキチンと安定させることが大切です。ゴルフのクラブは普通に持っているだけではさほど重くありませんが、スイングそしてインパクトの瞬間に身体にかかる負荷はかなりのものですから、クラブに任せてチカラを入れすぎないスイングを身につけましょう。

その他には練習やラウンド前後の準備運動・クールダウンを欠かさないことです。筋肉は使いすぎると硬くなる性質を持っていますし、キチンとしたクールダウンを行わないと次の日に疲労を持ち越して、やはり筋肉を硬くして、ケガをしやすい環境を作ってしまいます。

もちろん、それらの運動は身体全体を動かすことが大切ですが、に関していえば以下のようなストレッチもお勧めです。

ここでは2つのストレッチを紹介します。 いずれもやり始めは少し痛みがあるかもしれませんが、15秒ほど続けるのを1回とし、1日に3-4回してみてください。

ストレッチその1

痛いほうの手を前方に肩の高さまで持ち上げます。手のひらを下にむけた状態で肘は伸ばします。反対の手で、痛いほうの手の甲を下向きに抑えます。すると前腕の一部の筋肉が伸びて、張りを感じると思います。この状態で15秒伸ばします。

ストレッチその2

痛いほうの手を前方に肩の高さまで持ち上げます。手のひらを上に向けた状態にします。反対の手で痛いほうの手の指先を下向きに抑えます。すると前腕の一部の筋肉が伸ばされて張りを感じると思います。この状態で15秒伸ばします。

引用:慢性通治療の専門医による 痛みと身体のQ&A

もちろん、こういったストレッチをいつも行っていればケガをしないというわけではありません。例えば普段座りっぱなしでいると背中や腰が凝ってしまって、スイングの拍子にギックリ腰になったり、運動不足の状態でいきなり激しく動いてアキレス腱を切ってしまったりする可能性もありますので、ゴルフに限らず運動をする前は身体全体をしっかりと動かすようにしましょう。