子供がいつもつま先立ち?その原因はシーバー病かもしれません!

元気にスポーツしている子供をほほえましく思い、応援をしない親御さんは少ないと思います。もちろん昨今ではゲームもスポーツの一環として捉えられ、大きな大会名でも開催されていますから、一概には言えませんが、よくわからないゲームの話よりもグラウンドなどで行われるスポーツに精を出してほしいと感じている方のほうが多いのではないでしょうか。

しかしスポーツにはケガが付き物です。もちろん、それは他人と接触してしまう事でおこるケガもありますが、そういったわかりやすいケガだけでなく、タイトルのようにスポーツのしすぎによって起こる、膝やかかとなどのケガにも目を向けたいものです。

今回ご紹介するのは主に成長期の子供で、特にサッカー、野球、バスケ、バレーなどジャンプしたり着地したり、たくさん走る競技を行っている選手に多い、かかとの疾患です。子供をよく観察し、当記事のような症状が出ている時はなるべく早く専門家に相談するようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

シーバー病とはどんな疾患?

あまり耳慣れない言葉だと思いますが、正式名称を踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)と呼ばれています。症状は冒頭のようにかかと部分に痛みを感じたり、患部が赤く腫れあがってしまったすることですが、重症化していくと歩くたびにかかとが痛み、つま先立ちで歩くようになってしまうことが特徴的です。

またその状態でもさらに放置をしてスポーツを続けていると血流障害が起こり、細胞の壊死につながるなどしてしまうこともありますので、やはり注意して観察してあげるようにしましょう。

ちなみに成長期に起こる原因不明の痛みというと足のいずれかに痛みが起こる成長痛が最も知名度が高く、その時期の痛みというと成長痛だと決めつけてしまうこともあるかと思いますが、ざっくりといえば成長痛は何もしていなくても痛むことがあったり、足全体のどこに痛みが見えるかも定まっていませんが、シーバー病の場合は主にかかとに痛みが現れ、初期段階では運動の前後やプレー中に痛みが出るのでそこが一つの判断基準として用いれるかと思います。

なぜかかとが痛くなるの?

それではかかとに痛みが出る理由ですが、かかとは主に踵骨(しょうこうつ)と踵骨の末端部分の踵骨骨端核(しょうこつこったんかく)から出来ており、この踵骨骨端核はアキレス腱に繋がっています。

またそのアキレス腱は今度はふくらはぎの筋肉へと繋がっていきます。さらに言えばふくらはぎの筋肉はそのままふとももの筋肉へと続いていくわけですが、冒頭にも出てきたようなスポーツの練習をたくさん行うとふとももとふくらはぎの筋肉が伸縮する際の牽引力(けんいんりょく:引っ張るチカラ)がアキレス腱と踵骨骨端核にかかり、炎症を引き起こして痛みが出るようになる。というわけです。

あるいはそれほど練習していなくても、突然スポーツを始めてみたり、繰り返し述べているように成長期であることも原因の一つに挙げられます。その理由は成長期の子供の骨にあります。

成長期というと子供の身体が徐々に大きくなるように思われがちですが、実際に一番初めに伸びていくのはでその後に腱や筋肉などが伸長していきます。しかし、骨は皆さんご存知のようにとても硬いものです。

その為、成長期の子供には骨の末端に骨端核(こったんかく)という成長軟骨が存在し、そこにカルシウムを集めて伸長させていきます。ですから、大人に比べて構造が弱く、腱などは骨の後に続いて伸長していきますから、スポーツをしていなくても常に引っ張られている状態にありますから、シーバー病を起こしてしまうというわけです。

まとめとストレッチ

今回は成長期のスポーツ選手にみられるかかとの疾患、シーバー病について記事を書いてまいりました。子供の頃は痛みに恐怖心を覚えたりして、なかなか大人に相談しない子も多く、出来ればお子さんの違和感に親御さんが気づいていただければと思います。

それでは本文の最後にシーバー病を予防するためのストレッチをご紹介して終わろうと思いますので、かかとの痛みを訴えたお子さんがいる場合はぜひ、試してみてください。

すぐできるストレッチ!!

アキレス腱ストレッチ

(ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ)

直立姿勢から片脚を後ろに引いて、アキレス腱とふくらはぎを伸ばします。

骨盤が壁と水平になるような姿勢を意識して、踵かかとをグーっと床に押し付けます。この姿勢を90秒キープしてふくらはぎとアキレス腱を伸ばしていきましょう。

骨盤を壁と水平になるように姿勢を整えて、片脚を後ろに引いて、反対側の膝を壁に近づけるように曲げます。踵かかとは床から離さないように意識したまま、この姿勢を90秒キープしましょう。

アキレス腱ストレッチ_足底筋膜

硬まった足裏の筋肉をほぐす方法です。ゴルフボールやテニスボールを足の裏に置いて、ゴロゴロと踏み転がしてください。やや痛いと感じる箇所で90秒キープしましょう。

※手すりを持って行うなど、足元に注意してください。また、痛みがひどすぎるときは中止しましょう。

引用:医療法人社団 西宮回生病院