原因はパソコン画面?テクノストレス眼症!!

20年前と現在、どちらの世界がよかったか。と質問されたら多くの方は現在と答えると思います。それはもちろん、パソコンやインターネットの普及によって、世界中と繋がれるようになったり、連絡を取りたい相手に一瞬で自分の意志を伝えられたりと、非常に便利な世の中になったからです。

もちろん、中には昔の方がよかったとおっしゃる方もいると思いますが、現在の方が便利になったことは否定できません。しかし、便利になると同時に過去にはなかった疾患が増えてきたのも事実です。

今回ご紹介するテクノストレス眼症もその一つです。この疾患はスマホやパソコン、TVなどの画面を長時間見続ける、あるいはパソコンを使ったことがなかった世代に方々にとっては、どうしても手計算では若年層が使うパソコンの処理に追いつかなったり、パソコンそのものが使用できずに溜まってしまうストレスも、テクノストレスの一環です。

それでは詳しく確認していきましょう。

テクノストレス眼症とは?

冒頭にもありますが、電子機器を長時間使用することによって起こる目の疲労およびそれにかかわる全身症状のことをテクノストレスあるいはIT眼症と呼びます。

早速ですが、このテクノストレスについての面白いサイトがありましたので、そちらを引用してみたいと思います。

クレイグ・ブロードというアメリカの心理学者は、1984年にコンピュータに従事する人々の間に多かれ少なかれみられる共通の病理をテクノストレスと命名しました。そして、テクノ不安症とテクノ依存症という2つのタイプを発見しました。

テクノ不安症とは、コンピュータ・テクノロジーを受け入れようとする際のあがきに起因するもので、その苦悶がイライラ、焦燥感、頭痛、悪夢、コンピュータ学習への抵抗の形をとってあらわれるコンピュータ不適応状態です。テクノ依存症とは、コンピュータヘの過剰適応の結果、論理回路による思考しかできなくなり、感情表現を喪失したり、多様で複雑な人間関係を回避するようになるもので、落ち込んだり種々の身体症状を呈するようになります。現代社会では、コンピュータ化が進むことによって、テクノ不安症は少なくなり、一億総コンピュータ依存症に向かっています。

引用:医療法人 和楽会

つまり、テクノストレスはITの世界を受け入れることが出来ない方が感じるストレスや反対にコンピュータの世界に依存しすぎるあまり、現実世界や人間関係をおろそかにして熱中し過ぎてしまう方のことを指す言葉と言い換えることができます。

また依存症の目安は自分の限界以上にPC(コンピュータ)にのめり込む、時間の間隔が無くなる、他人と接するのを嫌う、二者択一志向になる、などがあげられていますので、ご自身や周りの方にそのような傾向がみられる時は注意が必要です。

あるいは昨今の小・中学生で問題になっているのが、PCではなくゲーム依存症という言葉で同じような思考・時間間隔が欠如することも社会問題になっています。

テクノストレス眼症の症状は?

テクノストレスについてご理解いただけたところで、今度はテクノストレス眼症についてみてまいりましょう。これは簡単にいえばディスプレイを長時間見ることによって起こる眼精疲労という言い方ができると思います。

スマホ依存症という言葉もある通り、私たちは朝、スマホのアラームで目覚めてから通勤中、仕事中、そしてプライベートな時間に至るまで一日中、ディスプレイを眺めているといっても過言ではありません。

その結果、眼が疲れる、眼の奥が痛い、視力が下がる、像がぼやけるなど眼精疲労の症状や首・肩・腰に疲労が蓄積して炎症を起こし痛みが出る。あるいは精神的にイライラしたり、情緒不安定、焦燥感・不安感を感じるといった症状を引き起こす危険にさらされています。

また、特に目というは直接脳と繋がる唯一の器官ですから、この疲労は自律神経に影響を及ぼし、昼夜逆転生活になってしまったり、不眠症になったりします。不眠症の問題点はただ寝られないということだけでなく、実はうつ病にかかっている人の大部分が不眠症にかかっていて、その二つは因果関係があるといわれており、一つの目安に数えられるほどなのです。

まとめ

今回はテクノストレスとそれに伴う眼精疲労、身体的・精神的不調について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、この疾患は単純に疲れ目になってしまうだけでなく、人間関係を壊してみたり、精神を壊してみたりと、いままで以上に注意が必要な不調です。

特にこり症であったり、そもそも人間関係があまり上手でない方はネットの世界に依存してしまう傾向がありますから、自分をいさめる行動が必要になりそうです。

また依存症に陥ると自分自身では抜けだすことが難しく、どのような疾患でも同じですが、早期発見・早期改善が重要になります。そんな時は専門家に相談するのも、もちろん有効ですが、早朝や深夜でも結構ですから、ウォーキングやジョギングを行うとセロトニンやドーパミンといった快楽物質が分泌されて、爽快感が生まれたり、運動を続ければ少しずつ外界に興味が出てくることもありますから、是非、試してみてください。