不眠症に要注意!不眠症と関係の深い病気

眠れない日が続くというのはそれだけで大きなストレスになるものです。例えば自身の趣味が眠る事であると公言される方がいらっしゃるように睡眠は本来、気持が良く、しっかりと眠れていればその日一日、精力的に活動が出来る原動力にもなります。

一方で様々な理由からよく眠れない日が続き、常に眠気を感じていると精神的なストレスをためることに繋がりますし、ひいてはうつ病など本格的な精神疾患の原因となってしまうこともあります。睡眠障害の予防に重要なことはストレスを貯めない、生活リズムを整える、などが有名な対策ですが、自分の不眠の原因を突き止めることで効率的に改善が図れるかもしれません。

今回はそんな睡眠障害についてとそれらを引き起こす可能性がある疾患について記事を書いていきたいとおもいます。それでは始めてまいりましょう。

不眠症とは?

誰にでも少なくとも1~2度は「なかなか寝付けなくて翌日睡眠不足だった・・・」という経験があるものですが、このような「入眠困難」や、あるいは途中で何度も目が覚めてしまうという「中途覚醒」、また早朝に目が覚めてしまいそれ以降は眠れなくなってしまう「早朝覚醒」といった症状が週3日以上みられ、かつそのせいで日中の生活に支障をきたす場合を「不眠症」と言います。

一般に適切な睡眠時間は6~8時間と言われていますが、人によって必要とする睡眠時間は異なるため、たとえ短くでもスッキリと目覚めることができ日中の活動に支障をきたさないのであれば、不眠症を心配する必要はありません。一方先述した条件に当てはまる場合は「不眠症」であり、中には身体的・精神的な病気が隠れている場合もあるため注意が必要です。

不眠症と病気の関係

不眠症の原因にはストレスや不適切な就寝環境、夜勤などによる体内リズムの乱れなどが挙げられますが、これら以外に心身の病気が関係していることもあり、その場合にはまずそれらの病気を改善する必要があります。不眠症と関係の深い病気には以下のようなものが挙げられます。

・うつ病

うつ病は不眠症と非常に密接な関係がある病気として有名で、特に「早朝覚醒」はうつ病の代表的な症状として知られています。そもそもうつ病を発症するメカニズムが今のところはっきりと分かっていないため不眠症との具体的な関係性についても明らかにはされていないのですが、脳が十分な休息をとれないことで神経伝達物質の機能が低下し、気分や意欲に悪影響を与えてうつ病になってしまうのではないかと考えられています。

・生活習慣病

糖尿病や肥満、高血圧、脳梗塞などの生活習慣病と不眠症にも相関関係があると言われています。例えば睡眠不足になると食欲を増大させる「グレリン」というホルモンが増加し、逆に食欲を抑える「レプチン」というホルモンが減少します。そのうえ睡眠不足になるとどうしても日中の活動量が減ってしまうため、食欲が沸いて沢山カロリーを摂取するのに対し消費カロリーは少なくなってしまう、つまり肥満や糖尿病になりやすいというわけです。

・他の睡眠障害

不眠症も睡眠障害の1つですが、他の睡眠障害、「睡眠時無呼吸症候群」や「レストレスレッグス症候群」「周期性四肢運動障害」などが不眠症を併発させることがあります。例えば睡眠時無呼吸症候群の場合睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりするため、中途覚醒を引き起こしたり、あるいは十分な休息が取れていないため熟睡感がなく、日中に眠気や倦怠感を感じたりするのです。

まとめ

今回は睡眠にまつわるトラブルや起きやすい病気について記事を書いてまいりました。睡眠は体内時計のリセットにも使用されますが、質の良い睡眠は精神的な安定をもたらし、日中のパフォーマンスにも影響を及ぼします。

またあまり知られていませんが、実は過眠症という言葉もあります。これは文字通り、十分な時間寝ているのに疲れが取れなかったり、日中眠気に襲われてしまうというもので、主にストレスや自律神経の乱れが原因で起こるといわれています。下記には過眠症について詳しく書かれているものを引用しますが、当てはまる方は十分にご注意ください。

病気の一症状としての「過眠」があります。 代表的なものとして、秋から冬にかけて抑うつ気分が出て、春や夏になるとよくなることを繰り返す冬季うつ病(季節性感情障害) 、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、周期的に呼吸が止まる、あるいは呼吸が弱くなる閉塞性睡眠時無呼吸症候群、夜眠れず、日中の眠気や疲労などの不調が現れる不眠症などがあります。

また、起床すべき時間帯に過眠が起こり夜間に眠れない、いわゆる時差ぼけ(ジェットラグ)のような状態の症状を「概日リズム睡眠・覚醒障害」と呼びます。健康な人であれば一時的な症状のみですぐに適応できますが、場合によっては疲労や頭重感、食欲低下、胃腸障害などの身体症状が現れます。原因は体内時計(概日リズム)の乱れによるもので、昼夜が逆転するような交代勤務の人にもみられます。

引用:社会福祉法人 済生会