膝に多いスポーツ障害・半月板損傷の治療法は?

というものが人間にとって欠かすことができない部位であるということはどなたもご存知のことと思います。例えばそれは立つ、座る、走るなど日常生活でもよく使用されますし、下半身の軸として身体を支えバランスを保つ機能からみても日常生活を楽しく過ごすには必要不可欠といえます。

しかし、それだけ日常的に使われるということは疲労をためやすく、特に男性に比べると骨格の繋がりが脆弱であり、女性ホルモンの影響が強く出る女性にとっては年齢を重ねてからは変形したり、炎症を起こして痛みを発したりとなにかと不調が絶えない部位の一つでもあるのです。

今回はそんなにまつわるケガ、半月板損傷について記事を書いていきたいと思います。どなたも聞いたことがあると思いますが、膝に大きな負荷がかかったり、スポーツや事故などの際、外部から衝撃を受けることで起こる半月板という組織の損傷の事です。

先のようにというのは日常生活に欠かせない部位ですから、日ごろからケアをしたり、なるべく傷めないようにすることでケガや不調を予防できるよう気を付けるようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

半月板損傷とは?

ジャンプと着地、ダッシュ、屈みこむ動作などスポーツを行う際には重要な役割を果たしており、それ故に負荷がかかって損傷してしまうことの多い部分です。スポーツによる膝の損傷の中でも特に多いのが「半月板損傷」で、これが起こると膝を曲げ伸ばす際に引っかかりを感じたり「カチッ」という音が鳴ったりするようになります。

そもそも「半月板」とは膝関節の、大腿骨と脛骨との間にあってこの2つの骨の接合を安定させ、膝にかかる衝撃を分散させたり吸収したりする働きを持つ繊維軟骨です。これは膝関節の内側と外側に2つあり、三日月形をしていることから半月板と呼ばれているのですが、ここにスポーツによって過剰な負荷がかかったり交通事故で強い衝撃が加わったりすると、「縦断裂」や「横断裂」など様々な形態で断裂を起こします。これが「半月板損傷」で、半月板損傷が起こると前述の通り屈伸時に引っかかりを感じたりクリック音が鳴ったりするほか、ひどい場合には膝に関節液が溜まったり、割れてしまった半月板のかけらが関節の隙間に入りこんで膝を動かせなくなる「ロッキング」という状態になったりします。またスポーツや事故だけでなく、加齢により半月板が徐々に変性し擦り切れてしまう場合もあります。

半月板損傷の治療法

半月板損傷の治療方法には保存療法と手術療法がありますが、ロッキングの症状もなく軽度であると判断される場合には、保存療法が第一選択となります。

保存療法においては痛みや炎症に対する消炎鎮痛剤の処方やアイシングと共に、関節の可動域を回復させるための訓練や、膝周辺の筋肉を増強する筋力トレーニング、膝のバランス感覚を取り戻すためのトレーニングなどが行われます。これらのリハビリで回復が見られたなら、最終段階としてスポーツ復帰を目指した「アスレチックリハビリテーション」が行われ、ジョギングから始まりカッティング動作やジャンプ、やがて復帰したいスポーツ特有の動作へと移行していきます。

一方、ロッキングが見られるなど重度の損傷があったり保存療法では症状が改善しない場合は、手術療法がとられます。手術療法には割れてしまった半月板の一部を取り除く「切除術」と、割れた部分を縫合する「縫合術」とがありますが、切除術の場合半月板の機能が失われてしまうため、やがて関節軟骨が摩耗し「変形性膝関節症」を併発してしまう危険性が高いことが分かってきました。そのため現在では、できる限り縫合術で半月板を維持することが推奨されるようになっています。

まとめ

今回はスポーツ選手にも多い、膝の不調、半月板損傷について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、膝は日々、活用され酷使されていくものなので、特に年齢を重ねてからは十分にケガに注意するようにしましょう。それでは最後に膝の柔軟性を保つストレッチをご紹介して終わろうと思いますので、気になる方は是非、実践してみてください。

ストレッチ(1) 太もも前側を伸ばすストレッチ

片方の膝を曲げて伸ばします。右側を伸ばしたい場合は右手で右足を引き上げ、右足のつま先をお尻の方へ引き寄せてください。太ももの前面に存在する大腿四頭筋を伸ばすことができ、膝を曲げるときの角度を回復させることができます。

ストレッチ(2) すね前側とふくらはぎを伸ばすストレッチ

つま先を、奥の方へ伸ばすことで前面(前脛骨筋)を、タオルなどを用いて手前へ引き寄せることで後面(ふくらはぎ)を伸ばすことができます。すねの前面と後面をほぐすことで膝関節の可動域改善に繋がります。

また、膝関節以外にも股関節や足関節もほぐす必要があります。なぜなら、股関節や足関節が硬いと、膝関節に負荷が集中してしまい、半月板損傷をしている膝にとってはダメージになるからです。

引用:関節治療オンライン

URL: https://seikei-online.jp/column/knee/4609#%E5%8D%8A%E6%9C%88%E6%9D%BF%E6%90%8D%E5%82%B7%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%80%80