股関節の違和感や痛みはこれかも?!変形性股関節症とは

健康は失って初めて気づくとはよく言われる言葉だと思いますが、それは日常的に起こる事故や転倒による骨折や捻挫などはもちろん、アルコールを取り過ぎることによって起こる内臓の疾患であったり、暴食による肥満やそのほかの疾患などもかかってみて初めて不便に気づくものです。

またそういった日常生活や生活習慣に端を発するものもあれば年齢を重ねることで身体が衰えて発症するものもあり、今回ご紹介する変形性股関節はその代表的なものであるといえるかもしれません。特に男性は若い時に股関節に不調が見られるということは少ないものですが、股関節は普段何気なく使われていますが、重要な神経の通り道であったり、身体を動かす際の基点にもなる大変重要な組織でもあります。

では年齢を重ねるとその股関節にどのような疾患が見られるのか、一緒に確認していきましょう。

変形性股関節症とは?

人の体の中で最も大きな関節部分である、股関節。股関節には立っている状態だけで体重のおよそ4~6倍の負荷がかかっており、早歩きの場合ならおよそ10倍もの負荷がかかると言われています。それでいて立つ、歩く、座るといった基本的な動作全てにおいて重要な役割を果たすのが股関節ですから、日常生活において股関節が常に酷使されていることは想像に難くないでしょう。この酷使によって股関節が変形し痛みや動かしづらさなどの症状を引き起こす病気を、「変形性股関節症」と言います。

そもそも股関節は、球状になっている大腿骨の先端(骨頭)が骨盤にある「臼蓋」と呼ばれる受け皿部分にすっぽりとはまった構造になっており、これにより足を左右前後自由に動かせるようになっています。更に骨頭と臼蓋の間には軟骨があって2つの骨が直接ぶつかり合わないようクッションの役割を果たしているのですが、この軟骨がすり減ってくると骨頭と臼蓋が直接擦れるようにようになり、痛みや動かしづらさを感じるようになるのです。

更に症状が進行し隣接する骨の周辺に「骨のう胞」という孔が開くようになると、それを修復しようとして骨の端に「骨棘」というとげの様なものが形成されていくため、次第に股関節の骨そのものが変形していくことになります。

変形性股関節症の原因

変形性股関節症の原因、つまり股関節部分の軟骨がすり減ってしまう原因の1つは長く使い続けたための加齢によるもので、前述の通り股関節には体重の数倍もの負荷がかかることから特に肥満の人は軟骨を摩耗させやすいと言うことができます。また股関節に負担をかけるスポーツや仕事をしている人も、通常より速いスピードで軟骨をすり減らしてしまう可能性があります。このように股関節自体に問題があるわけではなく、使用し続けることで徐々に軟骨がすり減って変形性股関節症を発症してしまうケースを、「一次性変形性股関節症」と言います。

一方、股関節自体に問題があって変形性股関節症を発症してしまうケースを、「二次性変形性股関節症」と呼びます。例えば赤ちゃんの頃に布おむつを使用していた人は股関節の角度が浅くなってしまいますし、先天的に臼蓋が小さいと大腿骨の骨頭がきちんと収まらず関節が浅くなってしまうのですが、この状態のまま成長すると中高年になってから変形性股関節症を発症してしまうことがあるのです。実はこれまで日本人にはこの二次性変形性股関節症が多いと言われていたのですが、紙おむつが主流になったためか現在では減少傾向にあるようです。

まとめ

 

今回は年齢を重ねることで発症しやすくなる変形性股関節について記事を書いてまいりました。文中にもあるように加齢によって関節の軟骨組織はすり減っていくものですから内服液であったり、周りの筋肉を鍛えるなどの対策が必要になります。

また身体の歪みなどは普段からの姿勢や座る時の体勢が影響を及ぼすものですから、最後に特に変形性股関節にならない為に注意したい姿勢についてある記事を引用してみようと思いますので、是非、参考にしてみてください。

変形性股関節症には、やってはいけない姿勢、いわゆる禁忌(きんき)肢位というものが存在します。

禁忌肢位を知らずに、日常的にその動作や姿勢を繰り返すと股関節などに大きな負担がかかり変形性股関節症の症状が悪化する恐れがあります。

股関節を内側にひねる姿勢

変形性股関節症では、股関節を曲げて膝を内側に入れる動作は、やってはいけない禁忌肢位になります。

また日常生活でやりがちな「正座」や「あぐら」なども股関節に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります。変形性股関節症の人は地べたに座るのではなく、椅子に座った方が良いでしょう。同様に寝る姿勢も布団からベッドやマットレスに変えて起き上がる場合の負担を減らしましょう。生活が和風なら洋風に変える意識です。

無理な姿勢やストレッチ

ストレッチや、軽いウォーキングなどの運動は、正しくおこなうことで股関節のまわりの筋肉にしなやかさと張りができ、変形性股関節症の痛みの緩和に効果を期待できます。

ただし、無理な姿勢でのストレッチは禁忌肢位になるので、控えなければなりません。

引用:リペアセルクリニック

URL: https://fuelcells.org/topics/9849/