肩を動かすと痛い・ゴリゴリと音がする?!変形性肩関節症とは

私たちの身体というのは非常に良く出来ています。例えば健康な身体であれば腕の曲げ伸ばしが自由にでき、上にあるものを取ったりできますし、自らの意志で自由に歩いたり走ったりすることができます。

しかし、時には事故に合うなど衝撃が加わったり、運動をしていて捻ってしまったり、あるいは練習のしすぎなどで使いすぎた結果、痛みを引き起こすようになったりもします。今回はそんな身体の痛みの中でも肩関節に不調が起こる変形性肩関節症という疾患について記事を書いていきたいと思います。

例えば先のようにわかりやすいケガの原因が起こっていなくても加齢によるものであったり、普段から寝相がわるかったり、姿勢が悪いなどでも症状が出る可能性はありますので、本文を読まれて思い当たることがある際は専門家に相談するようにしましょう。それでは始めてまいります。

変形性肩関節症とは

の動きが悪くなり、動かそうとするとゴリゴリと音がする、強い痛みがある、腕を横に挙げられない・・・などの症状がある場合、それは「変形肩関節症」なのかもしれません。

そもそも関節とは2つの骨と骨のつなぎ目のこと、そしてそのつなぎ目部分は硬い骨同士がぶつかり合うことなくスムーズな動きができるよう、軟骨という柔らかい骨組織で覆われています。肩関節も例外ではなく、上腕骨と肩甲骨のつなぎ目にある上腕骨頭とその受け皿である肩甲骨関節窩も軟骨で覆われているのですが、何らかの原因でこれらの軟骨がすり減るとピッタリと合っていた関節の形がいびつに変形してしまい、そのせいで余計に軟骨がすり減ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

これが悪化しやがて硬い骨同士が擦れあうようになると、その淵に骨棘という棘のような突起物ができてしまい、肩関節を動かそうとすると痛みを引き起こします。これが、「変形性肩関節症」。また軟骨がすり減ることで炎症が起きるため、これも痛みや腫れ、肩を動かしづらくなるといった症状の原因になります。

変形性肩関節症の原因

変形性肩関節症は、その原因によって大きく「一次性」と「二次性」に分けられます。

一次性変形性肩関節症」は特定の疾患や病態に由来しない変形性肩関節症のことで、例えば加齢やオーバーユースなどがこれにあたります。特に野球などの肩を酷使するスポーツや肉体労働で慢性的に強い負荷をかけている人は、一次性変形性肩関節症を引き起こしやすいと言えるでしょう。

また肩に限らず「変形性関節症」という疾患全体で言えば膝関節や股関節に多く発症するのですが、その理由は膝や股には体重による日常的な負荷がかかってしまうため。従って特別大きな負荷をかけていなくても年齢と共に徐々に変形性関節症のリスクは高まっていくと言えるのですが、こと肩関節に関しては体重がかかる部位ではないため、加齢が一次性変形性肩関節症の原因となることは比較的少ないと考えられています。

一方、「二次性変形性肩関節症」は特定の疾患・病態によって引き起こされるもので、具体的には「腱板断裂」「上腕骨頭壊死」「関節リウマチ」などが挙げられます。「腱板断裂」とは肩にある筋肉と骨とを繋ぐ筋腱が切れてしまった状態で、亀裂が進むと上腕骨頭が本来の位置を保てなくなり、変形の原因になってしまいます。「上腕骨頭壊死」は上腕骨頭の細胞が何らかの原因で壊死してしまっている状態、「関節リウマチ」とは免疫異常により関節の骨や軟骨が壊れる病気で、これらも変形性肩関節症を併発しやすいと言えます。

まとめ

今回は肩関節の可動域が減り、炎症や骨棘によって痛みを引き起こす変形性肩関節症について記事を書いてまいりました。文中にもあるようにこの疾患は他の不調から併発しておこることもあればオーバーユースなどによっても引き起こされます。

いずれの要因にしても肩関節は様々な筋肉や腱などが複雑につながることで上下左右に自由に動かせることができる関節ですから、変形性肩関節症に限らず様々な不調を起こりますから、痛みが出たイコール変形性肩関節症と早合点しないようにしましょう。

また肩関節の可動域が狭くなると日常生活に支障を来してしまうこともあります。例えば痛みがない時でも下記のようなトレーニングを生活に取り入れ、関節を動かし、痛いが出るのを予防しましょう。

うちわトレーニング

・うちわを準備してください。

・うちわを写真のように持ちます。(柄の付け根を親指で挟むように)

・うちわをあおぐ範囲

(へその前⇔小さく前にならえより少し開いた状態)

・1秒1往復の速さで30秒行います。

・朝昼晩の一日3回行いましょう。

輪ゴム トレーニング

・ゴムを準備してください。

(ゴムは2個もしくは3個をつないで使います。)

・肩の力を抜き、わきを軽くしめ、両手のひらを向かい合わせて、小さく前にならえの姿勢をつくります。

・ゴムは中指もしくは手首に引っ掛けます。

・動かす範囲

(ヘソの前⇔小さく前にならえより少し開いた状態)

・1秒1往復の速さで30秒行います。

・朝昼晩の1日3回行いましょう。

引用:宏洲整形外科医院

https://www.hiroshima-seikeigekaiin.jp/exercise/kuff-ex