子供の腕が抜けた?!肘内障と骨折との見分け方は? 

子育ては幸せが多い反面、苦労や心配ごとなども比例して多くなるというのはよく言われることです。お子さんというのは周りの環境よりも興味のあるものに走り出してしまったり、少し目を離していると迷子になってしまう、といったこともあり、普段から行動には目を光らせていないといけません。

子どもが小さいころはやはり自宅にいる機会が多いので、子供がけがをする場所は必然的に自宅が多くなるわけですが、およそ子どもの怪我の七割は自宅、そしてその半数は擦り傷や切り傷などが占めています。

しかしずっと家の中にいれるわけではありませんから、外出すると、今度は大人一人では御しきれないような危険があるものです。今回はこどもの腕を引っ張るなど、強い力が肘にくわわることで肘が脱臼してしまう肘内障(ちゅうないしょう)について記事を書いていこうと思います。

文中でも触れていこうと思いますが、肘内障はいわゆる腕が抜けるといわれる症状が起こることなのですが、子どものころの脱臼というのは再発する可能性が非常に高いのでもしも、起こってしまった時は完治するように配慮しましょう。それでは記事を始めてまいります。

肘内障とは?

幼児と手を繋いでいて転びそうになったので腕を引っ張った、あるいは手を繋いでいた幼児が急に走り出したため腕が強く引っ張られた、といったケースで起こりやすいのが、「肘内障」。肘内障とは肘が亜脱臼を起こしている状態のことです。

そもそも私たちの関節には骨と骨を連結する「靭帯」が存在しており、関節を固定する役目を果たしています。肘の親指側にあるのは「輪状靱帯」と呼ばれる靭帯で、前腕の2本の骨の1つ「橈骨」の肘側先端部「橈骨頭」を固定し支えているため、前腕を左右に回転させても橈骨頭がずれることがないのです。

ところが幼児の場合この橈骨頭がまだ小さく未発達であるため、腕を強く引っ張るだけで輪状靭帯からスルッと抜け出てしまいます。これが、「肘内障」。いわゆる「腕が抜けた」状態で、発症すると腕をだらんと下に下ろしたまま動かさなくなるのが典型的な症状です。

一度肘内障を起こすと癖になりやすいと言われていますが、小学校へ入学する頃になると橈骨頭が成長し輪状靭帯も強くなるため起こりにくくなります。従って肘内障を起こしたからと言って長きにわたってこれに悩まされるという心配はないのですが、6歳ごろまでは再発しやすいため腕を強く引っ張らないよう注意してあげる必要があります。

肘内障と骨折の違い

肘内障は「徒手整復」という子供の肘と手を動かして関節を本来の位置へ戻す方法で簡単に治るのですが、肘内障だと思っていたら実は骨折だった、と言うこともあるため注意が必要です。

肘内障と骨折を見分ける方法は簡単で、腕を動かさなくても激痛があり子供が大声で泣いていれば骨折を疑いましょう。一方肘内障の場合脱臼が起きた瞬間は痛みがあり泣き出すかもしれませんが、時間が経過すると痛みが軽減するため腕を下げたまま大人しくしている子供が少なくありません。

また肘内障の場合肘関節が脱臼を起こしているだけなので手の指はスムーズに動かすことができますが、骨折の場合は腕は勿論手指も動かすことができません。更に骨折を起こすと循環障害、つまり血流が悪くなるため手の指が青白くなることが多いのですが、肘内障にはそのような症状も見られないのが特徴です。

加えて肘内障は前述の通り腕を下に下げた状態で、かつ肘をやや曲げていると痛みを軽減できるため、腕をお腹の近くに置いた姿勢をとる子供が少なくありません。一方で両手を挙げた万歳の格好ができなくなるため、万歳ができるかどうか尋ねてみることで肘内障かどうかを判断することもできます。

まとめ

今回は腕が抜けたとも比喩される肘内障について記事を書いてまいりました。文中にもあるように肘内障が起こった際、子どもは自分の現状を言葉で伝えることができないので、様々なサインを親に出したりします。

もちろん肘内障に限りませんが、なるべく子どもの行動に注目して、違和感がある時は専門家に見せるようにしましょう。それでは最後に肘内障を起こさないため、腕のどのような部分をつかめばよいか、について説明してあるサイト文を引用して終わりたいと思いますので、是非、ご一読ください。

Q気をつけるべきことは?

A手を引くときは、肘より上をつかむようにしましょう。

肘内障は、 手や肘から下の部分を「ふいに」引っぱったり、ひねったりすることで起こりがちです。イヤイヤして寝ころんでいるとき、飛び出そうとしたときなど、親御さんが子どもの手を引く場合には、肘や肘から上の上腕をつかむようにしてください。

一度発症した子どもがその後何度も繰り返し、「クセになった」と悩む親御さんもいます。確かに発症しやすい子どもはいますが、年齢とともに骨格が発達するにつれて減少し、小学生になればほとんど起きなくなるので心配はいりません。現在、頻繁に起こるようなら、通っている園にも「腕が抜けやすい」と伝え、ふいに手を引かれる状況を減らしましょう。もし原因がわからず、突然痛がり始めたら、その場で肘を回すなどの処置をせず、すぐに診察へ。

寝返りや転倒で発症することも。

腕が上がらないのが目安なので、着替えや食事中の不自然な動きに注意を。

引用:はっぴーママいしかわ

URL: https://happymama-ishikawa.com/magazine/doctor/15741/