子供の腕が抜けた!肘内障はどうやって治す?

子どもというのは目の前に気になるものがあったり、楽し気なものがあると周りをみずに走り出してしまったりして保護者の方にとっては目が離せない対象だと思います。

またそういった年代のお子さんというと身体がまだ出来上がっておらず柔らかくてずっと触っていたいような気持にさせられるものですが、その柔らかさは時に少し力を加えたり、転んでしまったりすることでケガをしてしまう危険性もはらんでいます。

今回はそういった年齢の子どもに多い、肘が抜けて手をあげることができなくなってしまう肘内障について記事を書いていきたいと思います。さっきまでテンション高く遊んでいた子が急にしずかになる、帰ろうとして腕を引っ張ってしまってから急に泣き出してしまう、などのことが起こった際は肘内障を疑ってみてください。それでは記事を始めてまいります。

肘内障とは?

手をつないでいた子供が突然走り出したり、子供が転びそうになったので腕を引っ張り上げたりした際に、子供腕をだらんと下に下げたまま動かそうとしなくなることがあります。これは「肘内障」、一般に言う「肘が抜けた状態」で、肘関節が亜脱臼を起こしていることが原因です。「亜脱臼」とは骨と骨を繋ぐ関節部分で、骨が本来の位置からずれかかっている状態のこと。肘内障で言えば、肘の骨の骨頭部にはまっているべき「輪状靭帯」が外側へずれている状態です。

子供が肘内障を起こしたかどうかは、両手を上へまっすぐに挙げた「万歳」の恰好ができるかどうかで判断できます。また肘内障を起こした瞬間は痛みがあるため泣き出しますが、腕を下へ下げた状態であれば痛みが治まるため泣き止み、前述の通り腕をだらんと下に下げたまま動かそうとしなくなります。これが肘内障と骨折の大きな違いで、骨折の場合どんな状態でも強い痛みがあるため泣き止むことはありません。また骨折の場合、患部が腫れて血流が悪化するため手の指も変色しますが、肘内障では腫れや指の変色はみられないという違いもあります。

肘内障の治し方

まずは肘内障なのか骨折なのかを見極めてから、肘内障であると判断できれば保護者が治してあげることも可能です。

肘内障の治し方は2通り、肘関節を軽く曲げた状態で橈骨頭を親指で押さえながら、手のひらが下向きになるように腕を内側方向へと倒す「回内法」と、同じように肘関節を軽く曲げて橈骨頭を親指で押さえながら、手のひらを上向きにして更に肘を曲げる「回外法」。いずれも「プチッ」というクリック音があって関節がはまった感覚があり、軽い痛みのために子供が泣き出せば成功した証拠です。その後5~15分ほど待ってから子供に万歳の恰好をさせてみて、腕が元通りになったことを確認することができます。

とは言えイマイチ肘内障と骨折との判別が付かない、あるいは自分で治す自信がないと言う場合には、念のため専門家に診てもらう方が良いでしょう。特に骨折の可能性がわずかでもあるなら、念のためレントゲン写真で確認してもらうことをおすすめします。

一度肘内障を起こすと再発しやすくなることも多いのですが、輪状靭帯が成長すればやがて肘内障も起こさなくなるため、それほど心配する必要がありません。ただし10才を過ぎても肘内障を繰り返すようであれば骨の異常も考えられるため、専門家に見てもらう必要があるでしょう。

まとめ

今回は遊んだり、連れ帰ろうとする拍子に腕が抜けてしまう肘内障について記事を書いてまいりました。文中にもご紹介していますが、肘内障は亜脱臼の一つですので、キチンと関節がハマれば保護者の方でも整復が出来ますが、例え関節がハマったとしても筋などを痛めている時がありますので、そのまま放置せず、出来るだけ専門家に相談するにしましょう。

また知識としては知っていても始めて肘内障が起こった場合は不安になるものですし、子どもはキチンと自分の状況を説明することが難しく原因の特定が難しいものです。例えば子供が痛みを訴えたり、動かなくなってしまう前に以下のような状況がなかったか?などを振り返り、適切な対処ができるようにしましょう。

肘内障のよくある受傷状況

・手を繋いでいて転びそうになった子供の腕をひっぱった。

・手をつないでいた子供が急に走り出した。

・子どもが転んで手をついたり腕をひねったりした。

・遊んでいて肘を打った。

・お友達に腕を強く引っ張られた。

状況は多岐にわたりますが、肘内障になると、痛みをともなうため、泣き出す子どもが多いです。

腕を動かすと痛みがあるため、ひじをやや曲げた状態で腕をおなかの近くに置き、動かさなくなります(いわゆる腕をだらんとした状態)。

腕を下げていれば痛みが治まるため、泣きやみますが、治ったわけではありません。

(中略)

肘内障の再発予防に必要なことは?

一度肘内障を起こしてしまったお子さんは、その後も肘内障を繰り返しやすくなってしまうことがあります。予防としては、できるだけ腕を引っ張らないようにすることです。

両親が手をつないで歩いているときは、何かの拍子に強く引っ張ってしまわないよう、気をつけてください。

輪状靱帯が成長するとともに、肘内障を起こす頻度も少なくなってくるので、心配はいりません。

引用:家来るドクター

URL; https://iekuru-dr.com/blog/010/#i-7