早期発見は難しい?股関節の疾患!

皆さんは自分の股関節がどこにあるのか?という質問をされて正確な場所を特定できるでしょうか?なんとなくちょうど股下にあるというイメージがあるかと思いますが、実はもう少しだけ身体の奥にあり、太ももと骨盤の間に股関節はあります。

今回はそんな名前はよく知っているけれどあまり意識したことのない股関節に起こりやすい疾患やその機能などについて記事を書いていこうと思います。

文中でも触れていきますが、股関節や膝など骨格構造に関わる疾患というのは圧倒的に男性よりも女性に起こりやすいわけですが、男性でも女性でも年齢を重ねるごとに弱くなったりすり減ったりしていくものですので、日々の運動や摂取する食事には気をつけたいものです。

それでは記事を始めてまいります。

股関節の構造と役割

骨格標本をご覧になったことがある方は多いと思いますが、私たちの身体には内臓を支える骨盤が腰の下にあり、そこから太もも、膝、足へと骨はつながっていっています。その骨盤とふとももの骨(大腿骨:だいたいこつ)は軟骨筋肉、腱などの組織でつながっているわけですが、結合部分の骨は先端が丸くなっています。

丸くなっている理由は当然、他の関節よりも可動域が必要だからです。例えば膝やヒジの関節、ここは蝶番関節(ちょうばんかんせつ)と呼ばれていますが、蝶番というのはドアについている蝶番(ちょうつがい)のことで、扉の開け閉めが出来るように膝やヒジは一定の方向に動かすことが出来ます。

けれどドアが一定方向にしか開かないように膝やヒジも同じ方向にしか動かすことが出来ず、反対方向に曲げようとすると折れてしまいます。股関節がこれらの関節と同様の構造をしていた場合、私たちの身体はほとんど動かすことが出来ず、ロボットのような動き方になってしまいますので、これを避けるために、股関節の接合部分球体になっているのです。

そういった理由から股関節や肩の関節など自由に動かす必要がある関節を総称して球関節(きゅうかんせつ)というように呼びます。股関節の構造について説明を続けると、ふとももの骨の先端で丸みをおびている部分(骨頭:こっとう)は骨盤の臼蓋(きゅうがい)にはまりこむようにして股関節は成り立っています。

この股関節の役割は身体の中心として歩く、走る、立つ、しゃがむといった動作を支えることはもちろん、脳からでた電気信号を下半身に伝える中継地点にもなりますし、先のように内臓を支えてキレイな姿勢をキープするためにもとても大切な役割を担っています。

股関節に起きやすい疾患

冒頭でも触れていますが、股関節は男性でも女性でも加齢によって衰えていく箇所です。それはもちろん、疾患やケガ、などが原因になりますが、たとえば骨頭と臼蓋の間にある軟骨などが年を取ることで水分量が減り、すり減っていくことでいずれは骨同士が接触して痛みを発生させる、ということもあります。それでは以下に起こりやすい股関節の疾患をみていきましょう。

ちなみに前述の通り、股関節というのは非常に重要な箇所であるがゆえに数多くの骨・筋肉・靭帯・関節・腱などが存在しており、股関節に疾患が起こっても他の箇所がその役割を補ってしまうことで痛み違和感に気づかず、重症化して始めて気が付くということが多くありますので、思い当たる痛みや違和感を感じた時はなるべく早めに専門家に相談するようにしましょう。

変形性関節症:さきほども登場したように股関節の軟骨部分がすり減ることによって起こる疾患です。特に高齢の女性に現れることが多く、肥満や加齢によって関節軟骨がどんどん減り、骨が変形してしまう疾患で1000人のうち、1~2人はこの疾患を抱えているといわれています。

主な症状は股関節痛、歩行障害、可動域制限などがあり、特に初期はちょっとした違和感が出る、たまに痛い、などあまり気にならないこともありますが、痛みが臀部(おしり)、ふとももひざなどにも表れることで発見しずらい疾患といえます。

しかし進行していくと関節が動かしずらくなったり、骨がトゲ状に変化する骨棘(こっきょく)が現れ慢性的な痛みを引き起こします。そして末期になると軟骨がほとんどなくなり、股関節が変形し、筋肉が衰え、歩行障害を引き起こします。

まとめ

今回は股関節の構造老化による衰えによって起こる変形性股関節症という疾患について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、股関節の疾患は見つけずらく、実際に痛みが現れるようになった頃には重症化してしまっているケースが多いです。

もちろん、老化は防ぎようがありませんが、日々の生活にジョギングを取り入れてみたり、簡単なストレッチを続けることで実年齢以上に若々しく生活を続けることが出来ます。なお、いきなりジョギングをすると筋肉痛になるから、、とお考えの方は家庭でも出来るストレッチをしてからジョギングを始めると良いと思います。

特に臀部(おしり)や太ももの筋肉を柔らかくするストレッチを続けることで実際にジョギングに出た際、股関節の負担を軽減することもできますので、ぜひ、お試しください。

臀部やふとももはもちろん、お尻や腰に違和感や痛みを感じた時はお気軽に当院までご相談ください。