足首に起こりやすい脱臼骨折とは?

多くの方が勘違いしてしまっているかもしれませんが、骨折というのは骨がぽっきりと折れてしまう事だけを指している言葉ではなく、骨同士が外れてしまったり変形してしまうことも立派な骨折の一つです。

今回は強い衝撃を受けたり、腕などをあらぬ方向へ無理に曲げてしまう事でおこる脱臼にともなう骨折について記事を書いていきたいと思います。脱臼というと強い痛みがあって腕がプラプラと動かなくなってしまうイメージがあるかと思いますが、実は痛みが激しいのは初回が一番でその後からは再発してもあまり痛みを感じなくなります。

その結果、脱臼はクセになりやすい傾向がありますが、身体の一部が外れても痛みを感じないのは異常であることをご理解の上、なるべくしっかりと治すように心がけましょう。それでは記事を始めてまいります。

脱臼骨折とは

骨と骨とのつなぎ目である関節で起こる、「脱臼」。ピッタリとはまっているべき骨同士が本来の位置からずれてしまっている状態で、関節面が完全に外れてしまっている「完全脱臼」と、外れ切っていない「亜脱臼」とがあります。いずれにしても関節だからこそ起こり得る外傷ですが、この関節部分で骨折を起こすこともあり、これを「脱臼骨折」と言います。つまり骨折と脱臼を同時に引き起こしてしまう、骨折と脱臼のダブル外傷というわけです。

脱臼骨折は肩や肘、股関節など関節のある部分のどこでも起こり得ますが、特に足、中でもくるぶしの骨である距骨に起こるケースが大半を占めています。というのも足を踏み間違えたり足を取られたり高いところから転落してしまったりといった事故の際、足首を内側に捻りかつ足の甲の外側に体重がかかるという、不自然で強い負荷がかかりやすいのが距骨部分だからです。これは事故だけでなく、突然の切り返しや不自然な姿勢での着地など、スポーツの際にも起こり得ます。逆に足首を外側に捻って起こることもありますが、いずれにしても関節部分に対し特定の方向に強い負荷がかかることで、脱臼と骨折を同時に起こしてしまうのです。

脱臼骨折の症状と改善法

脱臼骨折を起こすと強い痛みを感じるほか、患部が大きく変形して炎症を起こし、腫れ、赤み、熱を持つようになります。これは体が損傷部分を治癒すべく患部の血管を増やして大量の血液を送り込もうとするためで、時間の経過とともに更に腫脹がひどくなって水泡が形成されることもあります。脱臼骨折は前述の通り足首に起こりやすいのですが、その場合少しでも患部に負荷がかかると強い痛みが生じるため、歩くことはおろか障害を受けた側の足に体重をかけて立つこともできなくなってしまうでしょう。骨折がひどい場合は開放性骨折となって出血したり、阻血性壊死に至ってしまう危険性もあります。

脱臼骨折が軽度、つまりずれの幅が2mm以下と小さく徒手整復で正常な位置に戻る場合であれば、その後ギブスで固定し安静にして自然回復を待つ保存療法がとられます。大抵はおよそ3週間ほどでギブスを外すことができ、その後は取り外しが可能な装具を用いてリハビリに入るでしょう。レントゲンで骨の修復が確認できたなら、体重をかけた運動を始めます。ただし足関節脱臼骨折の場合、軟骨がすり減って関節が変形してしまう「変形性関節症」を併発してしまうことがあり、注意が必要です。

まとめ

今回はスポーツや事故などの衝撃によって起こる脱臼骨折について記事を書いてまいりました。文中にもあるように脱臼骨折が起こると激しい痛みが起こるので放置することは少ないかと思いますが、特に若い時分での脱臼はクセになることが多く、キチンと完治するまではスポーツや激しい運動は控えるようにしましょう。

また例えば下記のようにくるぶしや足首に出るのは脱臼だけでなく、捻挫なども考えらえますので、症状だけで早合点せず、なるべく早く専門家に相談するようにしましょう。

足関節靱帯損傷(捻挫)〔そくかんせつじんたいそんしょう(ねんざ)〕

 足関節の捻挫は日常よく経験する外傷で、階段や段差などで足くびを強くひねった場合に起こります。捻挫では関節を構成する骨の間をつなぐヒモ状の組織である靭帯が損傷されます。足関節の捻挫でもっとも多いのは、足関節を強く内返し(内反)したために外くるぶし付近の靱帯を傷めるタイプ(足関節外側靱帯損傷)で、足関節部の捻挫の8割以上がこのタイプです。外くるぶしの周囲には3本のおもな靱帯がありますが、内反捻挫でもっとも傷めやすいのは、外くるぶし前部から前方斜め下方に向かう前距腓(ぜんきょひ)靱帯です。

 足関節を強くひねったあとで強い痛みが生じた場合には、まず捻挫を疑います。足関節は骨折の起こりやすい場所でもありますが、痛みのある場所をていねいに探れば、たいていの場合、靱帯の損傷と骨折を区別することが可能です。

足関節の捻挫をくり返した場合など、足関節が慢性的に不安定な(ゆるい)状態となることがあります。このような状態になると足関節の関節軟骨が徐々に傷ついて、長期的に足関節の痛みや動きの制限が生じる可能性があります。

引用:時事メディカル

https://medical.jiji.com/medical/014-0091-01