何事も使い過ぎはよくありません。腱鞘炎！
パソコンやスマホが普及してからというもの、以前よりも格段に指を使った動作が多くなったように思います。パソコンで文字を打ち込むのはもちろん、スマートフォンはほとんどの場合、親指で入力を行えるフリック入力が主流となったのでなおさらですね。
しかしそれらの機器が登場する前も仕事や勉強、あるいは資料つくりといえば紙とペンで行われていたので、いずれにしても指を酷使する仕事についていらっしゃる方はよく腱鞘炎が発生するものだと思います。
腱鞘炎はもちろん命を脅かすようなものではありませんが、それに至る原因を知ることで予防が出来たり、痛みを長引かせないなどの対応もできますから、是非、知っておいていただければと思います。
また、たかが腱鞘炎と思って放置していると実は腱鞘炎とは異なる疾患であったりもするので、特になにもしていないのに腱鞘炎のような痛みがあったり、その痛みが長引いている場合は専門家に相談するようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。
改めて腱鞘炎とは？
名前は大変有名ですし、あまり腱鞘炎になったことがない、という方を知りませんので、おそらく多くの方々に経験があると思いますが、そもそも腱鞘炎の腱鞘というのは何を指しているかご存知ですか？
私たちの指は反対にこそ曲がらないものの五本の指をバラバラに、そして一本一本も様々な角度に動かすことが出来ます。これを可能にしているのが27本からなる手指の骨です。
それらの骨と筋肉、腱、関節によって指は動いているのですが、それぞれの指は手首から指の先っぽまで伸びる腱によって繋がれているのです。しかし、それだけでは簡単に外れてしまうので定期的にリングのよう形の組織によって骨と腱が繋がれており、これを腱鞘と呼び、指の使い過ぎによってここが炎症してしまうのが腱鞘炎です。
ドゥ・ケルバン腱鞘炎とは？
いわゆる腱鞘炎というと、もちろん使用する指によって炎症が出る指は様々です、特にパソコンはご自身の打ちやすい、あるいはよく書く単語によって、人差し指が痛くなったり、小指が痛くなる方もいらっしゃると思います。
ただ冒頭のようにスマホ操作を行う場合は基本的に文字を打つのも操作するのも親指を使用する機会が多く、親指の腱鞘炎であるドゥ・ケルバン腱鞘炎にかかる方が増えています。
基本的には他の腱鞘炎と変わりありませんが、参考までにドゥ・ケルバン腱鞘炎について書かれているサイトを引用してみたいと思います。
ドゥ・ケルバン腱鞘炎は、親指を大きく広げると、手首に出る2本の腱（短母指屈筋腱と長母指外転筋腱）と、手首の背にある腱鞘の間に摩擦が生じ、炎症が起きることによって発症する。親指を使い過ぎて負荷がかかり、腱鞘が分厚くなって、腱の表面に傷がついたりするのが炎症の原因となる。そのまま負荷がかかり続けるとさらに刺激になって、悪循環に陥るので注意が必要。また手首の一部には2つの腱を分けて通すための隔壁があるが、腱の数や隔壁の数には個人差があり、狭窄の生じやすさにも個人差がある。さらに、環境要因としてテニスや楽器の演奏や、家事による手の酷使なども一因とされている。また妊娠・出産期や更年期のホルモンの変化も関係しているため、患者は20歳から30歳、50歳前後の女性が圧倒的に多い。指が伸びにくく、無理に伸ばすとばねのような現象が起きるばね指も、慢性的に指を酷使してきた中高年に多い。
引用：ドクターズ・ファイル
引用にもありますが、女性は更年期や出産を経ると女性ホルモンのバランスが変化し、腱鞘炎を始めとする骨格や関節といった箇所の疾患にかかりやすくなります。これにはエストロゲンという女性ホルモンが関係していて、このホルモンが減少することで骨が脆くなる骨粗しょう症やリウマチなど自己免疫疾患も発症しやすくなるのです。
まとめ
今回は誰にでも起こる身近な痛み、腱鞘炎について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますがこの疾患は基本的に指の使い過ぎで起こりますが、その起こりやすさは個人や性別によっても様々です。
それでは最後に腱鞘炎に聞く簡単なストレッチをご紹介します。腱鞘炎が進むと誰しも指や手首をマッサージすると思いますので、すでに知っているものもあるかもしれませんが、腱鞘炎を始めとするコリは一定方向や多方向に指の筋肉を使いすぎていることでおこります。
ですから、例えば指を一本一本、手の甲方向へ曲げてあげる。今度は指だけでなく手首にもコリがありますので、手のひらと手のひらをくっつけて、やはり手の甲側に曲げます。最後に手の平が上を無用に構えてさきほどと同様、手のひら同士をくっつけて手の甲側へ押しやると肘のマッサージにもなってすっきりすると思います。
これらのマッサージは出来れば痛みが出る前に習慣的に行い、指や手首、肘までを柔軟にしてあげることで腱鞘炎を防ぐことが出来ますので、是非、試してみてください。
