肩の痛みは後を引く!野球肩にご注意!

私たちの身体は細かい作業などでなければおおむね、物を持ったり、投げたり、歩いたりと自分の思い通りに動かすことが出来ます。しかし、なかにはそういった行動にルールを設け、身体の動きとボールの動きを科学して、限界を突き詰める方々がいらっしゃいます。それがスポーツをたしなむ方々ですね。今回はそんなスポーツの中でも野球選手、特に成長期の野球選手に多い肩の疾患、野球肩について記事を書いていこうと思います。

スポーツが上手くなるには同じこと繰り返し行わなければならず、それは言ってみれば同じ箇所に負荷をかけ続けるということを意味しています。また幼少期のケガというのは、無理をし過ぎるとクセになったり、肩が上がらないようなケガに発展したりもするので子供たちの動きの違和感には気を付けましょう。それでは記事を始めてまいります。

野球肩の正体は?

一言に野球肩といってもその原因は様々ですし、そもそも野球肩という名前の疾患は存在しません。野球に端を発する肩の痛みを総称してそのように呼ばれているので、それらの症状の紹介からしていこうと思います。

まずは度重なる投球練習によって肩を痛めるインピンジメント症候群です、痛みの無い状態であれば身体の構造などには興味を持たない方が多いと思いますが、肩というのは多くの骨、神経、筋肉が複雑に絡み合うことによってこれだけ自由に動かすことが可能になっています。

例えば自分の肩をみてみてください。見える範囲にある肩の頂点は肩峰(けんぽう)と呼ばれ、ここと上腕骨、つまり二の腕の骨が繋がるところには腱板(けんばん)、つまり棘上筋(きょくじょうきん)が通っていて、その筋肉を肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)が包みこんでいます。

聞きなれない単語が続きますが、要は骨と骨の間にあるクッション炎症を起こしているということです。次に先ほども登場した腱板についてですが、棘上筋、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)という四つの筋肉の腱が繋がっている所を指し、この腱のいずれかが骨と剥離したり、破れてしまうことを腱板損傷と呼び、これも野球肩によくある症状です。

ちなみに腱板はやはり練習で酷使し続けるといずれかの腱が切れてしまう肩腱板断裂という状態に陥ることもあり、これが起こると半年近くはスポーツを休まなくてはならず、痛みが起こった際は小さいうちに治す努力をしましょう。

最後にリトルリーグショルダーについてもご紹介しようと思います。これは成長期にのみ起こる疾患ですが、冒頭にもあるようにクセになりやすい痛みなので保護者の方には是非、気を付けていただきたいと思います。

成長期が始まると骨は全体が少しずつ大きくなっていくわけではなく、骨の両端に骨端線(こったんせん)とよばれる軟骨が出来、ここにカルシウムが集まることで骨を少しづつ大きくしていきます。

しかしこの軟骨は他の骨に比べると強度が弱く、負荷が重なるとやはり上腕骨の骨端線が離れてしまい、痛みを発生するようになり、この症状がリトルリーグショルダーと呼ばれます。

野球肩の予防には?

インピンジメント症候群、腱板損傷、リトルリーグショルダーとご紹介しましたが、これらを未然に防ぐには練習前の準備運動や練習後のクールダウンをよくすることはもちろんですし、無理な投球フォームの改善や、自分に合った投げ方の模索なども大変重要になってきます。

あるいはすでにご紹介した棘上筋(きょくじょうきん)をストレッチしたり、筋トレをすることでもケガをしにくい肩を作れたり、肩を強くしてより速い球を投げられるようにもなりますので、その方法をいくつかご紹介しておきたいと思います。

棘上筋のストレッチ1. 壁ストレッチ

自分よりも50cmほど高い壁があれば、どこでも行える棘上筋ストレッチ。シンプルで刺激の少ない柔軟対応になりますが、普段から両手を挙げる機会のない方すると感動するほど効果的なストレッチに感じるはず。しっかりとやり方とコツを押さえておきましょう。

ストレッチのやり方

壁から40cm~50cmほど離れて立つ

壁に近い腕で体を支え、逆の腕は頭の真上を通して壁に密着させる

(2)の状態のまま、30秒間深呼吸を行う

壁から手を離し、逆の腕でも取り組む

残り1回ずつ繰り返す

棘上筋のストレッチ2. 肩回し

誰もが一度は取り組んだことのあるストレッチメニュー、肩回し。上腕を全方向に動かす柔軟体操になるため、肩まわりの筋肉から体幹まで効率よく刺激できますよ。肩回しストレッチのやり方をマスターしていきましょう。

ストレッチのやり方

両手の指を肩に乗せる

(1)の時、軽く胸を張りましょう

横から見た時に肘で大きな円を描くように肘を回す

(3)の時は、指を肩から離さないようにしましょう

この動作を10回繰り返す

逆回しも同様に行う

引用:Smartlog

棘上筋のストレッチは一度覚えれば、肩こりがつらい時や肩が張っている時などにも応用ができますので、現在、野球肩などになっていなくてもぜひ、実践してみてください。