早期発見・早期治療がカギ!関節リウマチの症状や治療法は?

「朝、着替えの時にボタンの付け外しがやりにくい」「歯ブラシが持ちにくい」「お箸が使いにくい」・・・etc.etc. こんな症状を毎朝感じるようになったなら、もしかすると「関節リウマチ」なのかもしれません。かつてリウマチと言えば「一生付き合っていかなければならない病気」と考えられていましたが、現在では医学の進歩により症状を抑えてその状態を維持できるようになってきました。

とはいえそれもできるだけ早く病状を発見し、対処することが条件。そのためにも冒頭でご紹介したようなちょっとした兆候を見分けて迅速に対処することが大切なのです。そこで今回は、早期発見・早期施術がカギとなる「関節リウマチ」についてご紹介していきます。症状が気になる人は勿論のこと、発症のピークとされる30~50代の女性も是非参考になさってください。

関節リウマチとは?


関節リウマチ
とは関節、主に手足の指の関節に起こる炎症で、これにより関節部分の軟骨や骨が破壊されて機能が失われてしまう、つまり動かなくなってしまう病気です。発症初期は熱っぽさや倦怠感、食欲不振などが続いたり、朝起きた時に関節がこわばって指を使う動作が行いにくくなったりする程度ですが、更に進行すると朝の指のこわばりが長く続くようになり、関節に痛みや腫れ、熱っぽさを感じることもあります。

また関節リウマチは足首や足の指、股関節などどの関節からでも起こり得ますが、特に多いのは手首や手の指の第二関節、指の付け根で、関節変形が起こるまでになると第二関節が反り返って第一関節が曲がる「スワンネック変形」や、手の指全体が小指側に流れるように傾く「尺側偏位」などが見られるようになります。

日本ではおよそ70万人、毎年約1万5000人が関節リウマチを発症しているとされており、男女比率で言うと男性1に対して女性が5、つまり女性の発症率の方が5倍ほど高いと言われています。またこれまで関節リウマチは発症後しばらくたってから症状が進行すると考えられてきましたが、近年の研究結果により実際には発症より2年以内に最も急速に進行していくことが明らかになりました。このため、リウマチは初期の段階で早めに対処することが重要であると強調されるようになったわけです。

関節リウマチの原因は?

関節リウマチ「自己免疫疾患」の1つであり、「自己免疫疾患」とは本来ウィルスや細菌などから体を守るはずの免疫機能が異常を起こし、自身の組織や機能を「外敵」と見なして攻撃、破壊して排除しようとしてしまう疾患です。代表的なものを挙げれば、バセドウ病や1型糖尿病、橋本甲状腺炎など。そしてこれが関節組織で起こった場合に、関節リウマチとなって表れるわけです。

もともと手足を含む体の各部分にある関節は、外部からの衝撃を抑えかつ滑らかに動くことができるよう「滑膜」で覆われており、その中には潤滑油の役割を果たす「関節液」が満ちています。リウマチはこの滑膜組織を免疫機能が攻撃し始めることで起きるもので、これにより滑膜組織が炎症を起こすと「インターロイキン1」や「インターロイキン6」などの炎症性サイトカイン、また「中性プロテアーゼ」や活性酸素、一酸化窒素など炎症を悪化させる物質が次々と発生し、これらが軟骨を壊したり骨を壊したりするようになります。

それで免疫機能の攻撃がまだ骨膜組織内にとどまっており、これらの破壊物質を生成する前に治療を始めれば骨や軟骨への攻撃を食い止めることができるのですが、これを放置してしまうと骨の生成量が破壊量に追い付かなくなり、関節部分の骨が失われてしまうことになるのです。

それではなぜ免疫機能がそのような異常を起こし暴走するのかというと、この点については今のところハッキリとしたことは分かっていません。ただ、遺伝的な要因や喫煙の習慣、過労、ストレス、出産、歯周病などが関係しているとの意見もあるようです。

関節リウマチの治療法は?

関節リウマチ原因が不明であるため今のところ原因そのものを取り除く治療法は見つかっていませんが、抗リウマチ薬で進行を抑制したり、リハビリテーションでこわばりを取り除き関節の動く範囲を広げたりすることで、寛解(症状が消えた状態)を目指すことができます。また関節が全く機能しなくなってしまった場合には、破壊された関節を人工関節に置き換える再建手術が行われることもあります。

まとめ

関節リウマチの発症は丁度働き盛りの年代に多いため、忙しい日々の生活に追われて放置してしまいがち。しかし何度もお伝えしている通り、関節リウマチは早期発見と早期対処がカギとなりますので、で少しでも気になる症状があるなら、「いつか治るだろう」と放置せず、是非早めに専門家に相談しましょう。適切な施術とホームケアでかなりの程度改善されると期待できますよ。