朝のこわばりに要注意?関節リウマチ! 

温泉というと様々なイメージがあると思います。例えば若い方から見れば友人たちと旅行に行く時に欠かせない要素であったり、中高年の方から見れば日ごろの疲れを癒す湯治場であったりするわけですが、ふと、効能に目をやると必ずといっていいほど書いてあるのが関節リウマチ、という項目です。

関節リウマチは年齢を重ねた方に起こりやすい、というイメージがあるかと思いますが、これはその通りで特に年齢を重ねた女性、しかも出産経験がある方によく起こりやすいといわれています。

この理由は後述しますが、簡単に言えば関節リウマチというのは自分の細胞が自分の細胞を敵だと誤認識することで起こる自己免疫疾患の一つだからです。関節リウマチはその原因のすべてが解明されているわけではありませんので、完治が難しいといわれていますが、様々な研究から症状が抑えられる効果があるものも見つかっていますので、まだかかっていない方は予防に、そしてすでに症状がみられる方は日ごろの日常生活に気を付けるようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

関節リウマチとは?

では関節リウマチについてですが、この説明はインフルエンザのウイルスが身体に入ってきたことを想定するとわかりやすいと思います。インフルエンザや風邪にかかった時、熱が出ることは常識だと思います。

この理由は抗原と呼ばれる身体の外部からくるインフルエンザウィルスや細菌などの外敵を排除するために抗体と呼ばれる組織が戦っているからです。そして身体はその抗体が働きやすくするために抗体が活発に動きやすくなる高温に身体を保つ、という行為を行っているのです。

そしてこれら一連の動作を自己免疫機能と呼ぶわけですが、関節リウマチにかかると抗原ではない、健康な自分自身の細胞を抗体が攻撃してしまうことで不調が起こり、そういった免疫システムが破綻してしまう状態を自己免疫疾患と呼ぶのです。

関節リウマチが引き起こすこわばり

ではその自己免疫疾患が起こるとどうなるのでしょうか。特に多いのが朝、手や膝などの関節こわばってなかなかうまく動かせないという所から始まり、重症化していくと関節に水が溜まってしまい、痛くて動かせないあるいは組織そのものが変形することで日常生活に影響を及ぼすなどといった事が起こります。

詳細は省きますが、関節には軟骨と呼ばれるクッションがあるのですが、厳密にいえばクッションのほかに骨を覆う「骨膜」と呼ばれる組織もあります。滑膜は厚さ1mmにも満たないとても薄い膜ですが、滑液という粘りと弾力性のある液体を分泌する役割を持っていて、この滑液が関節内へと流れていき関節液になります。この液体が潤滑液となり関節の動きをサポートしたり、酸素や栄養素を軟骨に運んでいます

しかしこの骨膜を抗体が攻撃すると骨膜は炎症を起こし、滑液を異常に分泌するようになり、その結果「サイトカイン」や「プロスタグランジン」といった発痛物質(痛みを引き起こす物質)がたくさん分泌され、その発痛物質が関節液に混ざりこみ、神経に触れることで痛みを感じたり痛みが発生します。

まとめ

今回は高齢の女性がかかりやすい関節リウマチについて記事を書いてまいりました。文中では触れられませんでしたが、まだ全容は解明されていませんが、高齢の女性にかかりやすい原因の一つが妊娠・出産や閉経などに起因して起こる女性ホルモンのバランス変化が要因の一つであると捉えられています。

もちろんホルモンバランスをご自身でコントロールすることは不可能ですが、日常生活において関節を労わってあげることで、進行を遅らせたり、予防の一環になるとも言われています。いつまでも健康で痛みのない生活を送るには日ごろの努力というものも大切になってきますから、例えば以下のようなことに気を付けて関節の健康を守るようにしましょう。

日常生活で行うリハビリ

関節に過度な負担をかけることは、関節の変形を進める要因になります。まったく体を動かさないのはよくありませんが、ふだんの姿勢や何気ない動作を見直すことで、無意識にかけている関節の負担を軽くすることができます。

たとえば、スマートフォンや携帯電話の操作。片手で行うのではなく、両手で持って操作をすると、手首の関節にかかる負担を軽くすることができます。このとき、両腕を机で支えるようにするのもポイントです。

椅子から立ち上がるときは、机に手のひらだけつくのではなく、手のひらから前腕全体を使って、体重を支えるように立ち上がります。そうすると、手首の関節だけに負担がかかるのを防ぐことができます。

また、関節が腫れて熱を持っている状態でなければ、体を動かすことも大切です。特別な運動でなくても、歩いたり家事をしたりすることも立派な全身運動になります。水中ウォーキングは浮力が働くため、関節にかかる負担が小さくなり、おすすめの運動です。

引用:NHK健康チャンネル

URL: https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_179.html