偏頭痛と緊張型頭痛の対処法は正反対!5秒で頭痛の種類を見分ける方法
多くの方を悩ませる頭痛。
日常的によく経験する症状のひとつで、市販薬で乗り切っているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、たかが頭痛…と甘く考えてはいけません。
頭痛は、種類によって対処法が異なり、誤った対処をするとかえって症状が悪化してしまう可能性があります。
今回は、頭痛の中でも多い「片頭痛」と「緊張型頭痛」についてご紹介します。
ズキンズキンと脈打つように痛む「片頭痛」
頭痛といえばこれといっても良いほど、一般的に広く知られている「偏頭痛」。
天気が崩れると起こる頭痛も、この偏頭痛の一種だと考えられています。
そのメカニズムはまだはっきりとは解明されていませんが、脳の血管が拡張することが原因のひとつです。
日本人の8.4%が片頭痛に悩まされているというデータもあり、これは実に1千万人以上の日本人が片頭痛を発症しているということになります。
男女別に見ると、男性が3.6%、女性が12.9%と、女性が男性の3.6倍もの有病率です。
男性は20〜30歳代、女性は30〜40歳代の有病率が高く、働き盛りの年代で多い傾向があります。
片頭痛は、頭の片側もしくは両側がズキンズキンと脈打つように痛むというのが特徴です。
これは、頭部の血管が拡張し、拍動に合わせて周囲の神経に刺激が伝わることで起こります。
吐き気や嘔吐を催したり、普段は気にならないような光や音、匂いに対して敏感になったりというような症状を伴うこともあります。
(参考:【医療関係者向け】頭痛の疫学―エーザイの医療関係者向けサイト)
片頭痛には前兆がある?
片頭痛の特徴は、痛みが起こる前に前兆があるということ。
中でも多いのが「閃輝暗点」と呼ばれるものです。
突然、視野の真ん中あたりに、太陽を直視した後の残像のように、チカチカと光る点が現れ、物がゆがんで見えたり、目の前が真っ暗になったりします。
初めは小さかった光が次第に大きくなっていき、視界の大部分が見えなくなることも…。
これらの視覚的症状は目を閉じていても起こります。
この他にも、手足のしびれや言葉が話しにくくなる失語性言語障害、感覚が鈍くなる感覚異常といった症状も見られます。
前兆のある人は全体の20~30%といわれていますが、同じ人でも痛みの前にいつも前兆が表れるというわけではありません。
頭がどんよりと重い「緊張型頭痛」
頭をギューッとしめつけられるような重く鈍い痛みが起こる「緊張型頭痛」。
慢性的な頭痛で悩む方の大半がこのタイプだといわれています。
同じ姿勢を長時間続けたり、過労や精神的なストレスを感じたりすることにより、首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることが原因です。
常に頭がすっきりせず、1日のうちでは午後から夕方に、1週間では週末にかけて症状がひどくなることがあります。
大人から子供まで幅広い世代で発症するこの緊張型頭痛は、30分程度で収まる人もいれば、数日間痛みが続くという人もおり、首や肩のこり、めまい、全身のだるさといった症状を伴うこともあります。
デスクワークなどで、パソコンに向かう時間が長い方は、すき間時間にストレッチを行うと良いでしょう。
片頭痛と緊張型頭痛の見分け方
血行不良が原因の緊張型頭痛に対して、血管が拡張する偏頭痛の対処法は、180度異なります。
つまり、誤った対処を行うと症状が悪化してしまうため、どちらの頭痛であるのかを見極めることが大切です。
片頭痛と緊張型頭痛を見分ける方法は次の通りです。
①直立し、お辞儀をするように腰を90度曲げる。
②その姿勢のまま頭を振る。
③痛みが増したら「片頭痛」、変わらないなら「緊張型頭痛」
お辞儀をすると、頭部の血流が良くなります。
そのため、片頭痛の場合はさらに痛みが強くなるのです。
頭痛でお困りの際は、ぜひ試してみてくださいね。
片頭痛は「冷やす」、緊張型頭痛は「温める」
頭痛の種類が分かれば、正しい対処をすぐに行うことができます。
片頭痛と緊張型頭痛は、頭痛が起きるメカニズムが正反対なので、対処法も異なります。
片頭痛の場合は、患部を冷やすことがポイントです。
温めたり、マッサージをしたりすると逆効果。
音や光に敏感になるため、暗い静かな場所で休むと良いでしょう。
また、コーヒーなどに含まれるカフェインには、拡張した頭部の血管を収縮させる働きがあるため、偏頭痛に効果的だといわれています。
ただし、飲みすぎないように注意をしてください。
緊張型頭痛の場合は、患部を温めることがポイントです。
蒸しタオルや入浴、マッサージなどを行うと良いでしょう。
デスクワークのすき間時間にはストレッチを行うのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
片頭痛は、人によって痛みの強さや痛みのある場所、持続時間など、症状もさまざまです。
どういうときに起きやすいか、場所や天気、状況などパターンをつかんでおくために「頭痛日記」をつけるのもおすすめです。
これは、病院を受診する際、医師に症状を説明する上でも役に立ちます。
頭痛の種類を見極め、正しい対処法を行いましょう。