高齢者は特に注意!交通事故!

高齢者の事故やあおり運転、危険運転などといった交通事故の報道は毎日のようにニュースで流れていますが、老いも若きも自分だけは事故は起こさないと思ってしまうものですよね。やはりその理由は日々、運転することによって緊張感がなくなり、注意が散漫になってしまうことが一つ挙げられると思いますが、今回はそういった注意不足による事故よりも高齢者が事故を起こしてしまう原因について記事を書いていこうと思います。

最近ではブレーキとアクセルの踏み間違えがよく報道されますが、それはうっかりだけではなく、身体の衰えやケガ、疾患などが原因で起こっている場合もあります。

また持病を抱えていたり、認知症などの診断がすでに下されている方は危険運転による事故と認識されてしまったり、ご家族にも迷惑が掛かってしまうことがあるので注意しましょう。

それでは記事を進めてまいります。

事故を引き起こす原因 ~その1~

身体が衰えると聞くと手や足が動かなくなったり、腰が曲がったりと身体的な衰えが最初に浮かぶと思いますが、関節リウマチ膝関節変形症など重症化すると動きの自由が利かなくなる病気が原因で事故はあまり起こさないと思います。

その理由はすでに自分自身がうまく動けないことを認識して対処している、あるいは単純に一人では車に乗ることができない、などが考えられます。ですからどちらかといえばまだ身体の自由は利いているが軽度の疾患を抱えている状態で運転し、突然動かなくなってしまう可能性に注意を向けた方がよいと思います。

しかしよっぽどの状態でなければ上記の原因で事故は起きず、どちらかといえば視力聴覚神経などの衰えが直接、事故に結びつく衰えになります。

例えば視力、若いころであれば視力は良いか悪いかしか気に留めないものですが、視力の衰えで最も怖いのはピント調節機能の衰えです。人間の目の奥には毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる筋肉が存在し、この筋肉の働きによってピントを合わせて物が見えるようになるのですが、この筋肉が衰えるとピントを合わせる速度が落ちることになります。

その結果、明るいコンビニから夜道に出るとき、運転し始めは物が見えずらくなったり、遠くを見た後に近くを見ると視界がぼやけてみえるようになります。しかしもっとも恐ろしいのは夜間運転している最中、対向車のフラッシュライトで目がくらんでしまった時です。

若い時はほんの2~3秒の出来事ですが、これが6~7秒も続いてしまったとしても目がくらんでいるので急停車するのも危険ですし、そのまま走り続けていてもやはり危険な状態になってしまいます。

事故を引き起こす原因 ~その2~

他にも視力の衰えで恐ろしいのは視野の狭窄が起こることです。つまり若い時よりも視界が狭くなり、危険を察知するのが遅れます。さらにいえば反射神経の衰えによって見つけた危険を回避する判断が遅くなり、これも事故の原因になります。

また視野の狭窄は信号の見落とし警告サインの見落としなども起こすようになりますし、特に夜間は若い方でも視界が狭くなり、注意する必要が出てきます。

その他にも脳の衰えで言えば怒りも事故の原因を作り出すことがあります。怒りの感情というのは脳の大脳辺力系という箇所で作られるのですが、これを前頭葉というやる気、感情、理性などを司る部分で抑制し、理性を保てるわけですが、ここが衰えることによって感情のコントロールが難しくなり、すぐにカッとなってキレてしまったり、自分を律することが難しくなります。

そういった状態で運転していると昨今、話題になっているあおり運転をされた時、ムキになって競争してしまったり、反対にイライラしている状態ですから自分他人の車をあおってしまったり、といったことが起こります。

まとめ

今回は高齢者事故を引き起こす原因について記事を書いてまいりました。文中で何度も触れていますが、身体的な衰え以上に神経、そして五感といったものの衰えは直接事故につながりやすく、自分自身でその衰えに気づかない可能性も十分にあります。

当然、衰えた体が若いころに戻ることはありませんので、高齢者の事故を防ぐのであればなるべく運転しない、そしてさせないということに尽きるのではないでしょうか。

そのためにはまず自分の体の衰えを自覚すること、そして家族の支えが不可欠になると思います。しかしこの体の衰えは自分の頭では理解していてもなかなか認知することができないものです。

その理由は人間には自尊感情があり、自分でできないことが増えたり、仕事や育児が終わって自分は家族の役に立っていないのではないか、社会から必要とされていないのではないか、という不安があるからです。

この問題もやはり家族の理解なしではなかなか解決が難しいです。例えば家庭の中で役割を与えて仕事をしてもらったり、家事・育児に参加してもらったり、積極的に友人と遊びに出かける時間を作るなどしてあげると効果的ですので、ぜひ試してみてください。